井上寧(やすし)税理士事務所井上寧(やすし)税理士事務所

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2017.10.10.Tue | 介護事業

なぜヘルスケアサービス事業創出なのか?「ヘルスケア業界の今とビジネスプランの基本的な考え方(志水武史氏)」

日本総合研究所リサーチ・コンサルティング部門マネジャーである志水武史氏のお話をお伝えします。2回目です。大阪健康寿命延伸産業創出プラットホーム(略称「OKJP」)の「新規ビジネスプラン創出研究会)」に参加しました。そこで同氏が示された点で、私が重要だと考えたことを以下に述べます。

 今回は「なぜ、ヘルスケアサービス事業創出なのか?」をお伝えします。

経済産業省はヘルスケア産業を創出しようと、例えば「健康寿命延伸産業創出推進事業(地域の実情に応じたビジネスモデル確立支援事業)」などに取り組んでいます(予算は平成29年度で約7億円)。毎年、補助先の公募をし、最近9月21日に10件が採択されました。所管は経済産業省商務情報政策局ヘルスケア産業課です。

 

1 「なぜ、ヘルスケアサービス事業創出なのか?」国はヘルスケア産業創出に取り組んでいます。理由は次のとおり。

① 将来、経済成長に資する分野です。

② ヘルスケア分野の産業化により社会保障の効率化を図るため。

③ 地方創生における「しごと」作るため。

 

2 「ヘルスケア産業創出」により、次の2点が求められています。

① 医療費の適正化を図ります。

高齢化社会に向けて、国民の健康寿命延伸による生活の質(QOL)の向上、および医療・介護費用の公的負担の適正化が必要です。そのためには公的医療・介護保険外のヘルスケアサービス(健康寿命延伸産業)の創出、振興が必要とされます。

② 地域の経済活性化を図ります。

ヘルスケアサービス分野において新たな産業を創出することにより、新たな雇用を生みだす必要があります。

 

3 ヘルスケアサービスの市場規模見込みは次のとおりです。

ヘルスケアサービスの市場規模は、年間で4兆円市場創出。合わせて1兆円の医療費削減効果が見込まれています。

 

4 国はヘルスケアサービス(公的保険外サービス)を次のように考えています。

「地域域包括ケアシステムを補完し、地域での高齢者のQOLを確保する観点から

① 検診・健康維持・増進等の健康予防サービス(早期予防市場)や

② 運動・栄養指導、配食、見守り支援といった慢性期生活支援サービス(重症化予防市場)を、公的保険外サービスとして、地域の実情において確立していくことが必要」

と、国は考えています。

 

5 上記2の②「地域資源を活用して地域の新産業(雇用)を創出」の取り組みは、次のようなものです。

① 地域において、人口減少と医療費増大が進む中

ⅰ 高齢化に伴う地域の多様な健康ニーズの充足

ⅱ 農業・観光等の地域産業との連携

による新産業創出により、地域の「経済活性化と医療費適正化」を図ります。

 

② 健康・予防サービスを中核として、「食」・「観光」などの地域資源との連携により、地域に人を呼び込み、雇用を創出する産業を育成します。

 

③ 地域発の「健康×食」サービスにより、地域外・国外へのサービス展開を目指すとともに、「健康×観光」サービスにより、国内外の需要を地域の成長に取り込み,アウトバウンド・インバウンド双方での活性化を図ります。

 

見てきたとおり、「健康寿命延伸産業創出」とは経済産業省のヘルスケア産業課が中心となって、社会保障の分野だけではなく、経済成長・地域創生の視点から、産業政策として「ヘルスケアサービス産業(健康寿命延伸産業)」を創出しようというものです。

 

ヘルスケア産業政策の基本理念は、「誰もが人生を最期まで幸せに生ききることができる『生涯現役社会』を構築するため、これに貢献するヘルスケア産業を育成し、国民生活の向上につなげる」です。

 

社会保障の医療・介護サービスの理念とは違いますが、経済産業省が考える産業政策や事業創出の視点で、医療・介護事業を考えることは重要であるとともに、不可欠だと思います。

 

火・木・土曜日は、「介護事業の基礎知識バージョンアップ編」として、記事を紹介しています。

 

「介護事業の基礎知識バージョンアップ編」は、ケアビジネスに関心がある方やこれから介護事業の経営に取り組まれようと考えられている方を対象に、介護事業に関する基本的で重要な事項を紹介する内容にしていきます。

 

最近の火・木曜日の「介護事業の基礎知識バージョンアップ編」の記事は次のとおりです。

・「大阪健康寿命延伸産業創出プラットホーム~ヘルスケア業界の今とビジネスプランの基本的な考え方 志水武史氏」はこちら(10/5)

・「自立支援促進のため、保険者への財政的インセンティブと介護サービスへのインセンティブを導入」はこちら(10/3)

 

土曜日は次のとおり「介護事業者のための会計ハンドブック」を連載しています。

・「介護会計で大切なのは『会計の区分』です。処理ルールは4つあります。」はこちら(10/7)

・「介護会計のルールで大切なのは、会計の区分!」はこちら(9/30)

 

介護事業は社会課題解決事業です。

保険料と税で運営されている社会保険制度としての制度ビジネスです。3年ごとに改定される制度変更には、しっかりと対応することをおすすめします。

 

開業を準備されている方や準備を検討されている方は、是非、ご相談ください。不安な点について一緒にベストな解決策を検討しましょう。

ご相談については、電話やメールでお気軽にご相談ください。お待ちしています。

(初回は無料です)

 

制度変更により、大きく収入が落ち込んで事業縮小や廃業を余儀なくされるケースを避けるために、制度改定や計数を予測して、事業経営に活用することが大切だと思います。

 

月・水・金は次のとおり税務の記事を紹介しています。

月曜日は「マイホームの税金の手引き」

水曜日は「会社で事業をした場合(法人成り)のメリット」

金曜日は「いざそのときにあわてないための相続税や贈与税に関する知識」

日曜日は「2018年3月申告用の所得税確定申告の手引き」

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