井上寧(やすし)税理士事務所井上寧(やすし)税理士事務所

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2018.02.15.Thu | 介護事業

平成30年度介護報酬改定の動向~訪問介護の論点④「生活援助中心型の担い手の拡大とは何か?」

介護報酬改定に係る「訪問介護」の主な論点をご紹介します。

見直しの論点は次のとおりです。(出所:平成30年1月26日第158回介護給付費分科会)

 

「訪問介護」の見直しの主な論点

① 生活機能向上連携加算の見直し

② 「自立生活支援のための見守り的援助」の明確化

③ 身体介護と生活援助の報酬の見直し

 生活援助中心型の担い手の拡大

⑤ 集合住宅減算(同一建物減算)の見直し(訪問系サービス共通)

⑥ 訪問回数の多い利用者への対応

⑦ サービス提供責任者の役割や任用要件等の明確化

 

今回は

論点④「生活援助中心型の担い手の拡大とは何か?」

 

介護給付費分科会の中で、次のような意見がありました。

(平成29年11月1日 第149回同分科会)

□ どのような機能を誰が担うかというところをもう少し細かく整理して、それらの機能を多様な人材が分担するという考え方が重要ではないでしょうか。

□ 財源と人材に限りがある中で、機能分化が必要ではないでしょうか。

□ 介護専門職と生活援助を中心に実施する人材の役割分担を図ることが必要ですが、サービスの質の低下にも留意しつつ、介護報酬についてもそれぞれの役割を踏まえた適正な設定をしていくべきではないでしょうか。

 

現状を踏まえ次の論点が示されました。

介護人材が不足する中で必要な訪問介護を確保していくためには、限られた人材の有効活用の他、人材確保の裾野を広げることも必要です。

 

具体的には、更なる人材確保の必要性から

(身体介護は現在の訪問介護員)

身体に直接触れる身体介護について、自立支援の機能を高めることも踏まえ、現在の訪問介護員(130時間以上の研修を修了した者)が中心に担うことを、進めてはどうでしょうか。

(生活援助は新たな研修終了者)

生活援助について、必要な量を確保するために人材確保の裾野を広げつつ、生活援助の自立支援の機能等を確保するため、生活援助中心型の新研修の修了を必要としてはどうでしょうか。

 

これらをつうじて「生活援助中心型の担い手の拡大」について、見直しが次のとおり示されました。

(生活援助中心型のサービスを設ける)

訪問介護事業所における更なる人材確保の必要性を踏まえ、介護福祉士等は身体介護を中心に担うこととし、生活援助中心型については、人材の裾野を広げて担い手を確保しつつ、質を確保するため、現在の訪問介護員の要件である130時間以上の研修は求めないが、生活援助中心型のサービスに必要な知識等に対応した研修を修了した者が担うこととする。

 

(生活援助中心型の新しい研修課程を創設)

このため、新たに生活援助中心型のサービスに従事する者に必要な知識等に対応した研修課程を創設することとする。その際、研修のカリキュラムについては、初任者研修のカリキュラムも参考に、観察の視点や認知症高齢者に関する知識の習得を重点とする。

(カリキュラムの具体的な内容は今年度中に決定する予定)

【省令改正、告示改正、通知改正】

 

(新研修の終了者も常時換算2.5人以上の配置に含める)

また、訪問介護事業所ごとに訪問介護員を常勤換算方法で2.5以上置くこととされているが、上記の新しい研修修了者もこれに含めることとする。

 

(生活援助型中心型サービスの報酬は同一)

この場合、生活援助中心型サービスは介護福祉士等が提供する場合と新研修修了者が提供する場合とが生じるが、両者の報酬は同様とする。

なお、この場合、訪問介護事業所には多様な人材が入ることとなるが、引き続き、利用者の状態等に応じて、身体介護、生活援助を総合的に提供していくこととする。

(下図は参考)

 

この論点の視点は、人材の有効活用・機能分化、各種基準の緩和等を通じて効率化を図るためのものです。

 

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火・木曜日は「介護事業の基礎知識~平成30年度介護報酬の改定」を紹介しています。

ブログ記事は

http://www.y-itax.com/category/kaigo/

 

平成30年度介護報酬改定の動向

訪問介護の改定見直しの主な論点  

・論点①「生活機能向上連携加算の見直しとは何か?」はこちら(2/6)

・論点②「自立生活支援のための見守り的援助の明確化とは何か?」はこちら(2/8)

・論点③「身体介護と生活援助の報酬の見直しとは何か?」はこちら(2/13)

訪問看護の改定見直しの主な論点 

・論点①「在宅の中重度要介護者の療養生活に伴う医療ニーズへの対応強化とは何か?」はこちら(1/16)

・論点②「ターミナルケアの充実とは何か?」はこちら(1/18)

・論点③「複数名訪問加算の創設とは何か?」はこちら(1/23)

・論点④「訪問看護ステーションにおける理学療法士等による訪問の見直しとは何か?」はこちら(1/25)

・論点⑤「報酬体系の見直しとは何か?~基本サービス費を要支援者・要介護者で別立て」はこちら(1/30)

・論点⑥「集合住宅減算(同一建物減算)の見直しとは何か?」はこちら(2/1)

居宅介護支援の改定見直しの論点

・論点①「質の高いケアマネジメントの推進とは何か?」はこちら(12/26)

・論点②「公正中立なケアマネジメントの確保とは何か?」はこちら(12/28)

・論点③「訪問回数の多い利用者への対応とは何か?」はこちら(1/2)

・論点④「医療と介護の連携強化とは何か?」はこちら(1/4)

・論点⑤「末期の悪性腫瘍の利用者に対するケアマネジメントとは何か?」はこちら(1/9)

・論点⑥「障害福祉制度の相談支援専門員との密接な連携とは何か?」はこちら(1/11)

通所介護サービスの適正化について

・「通所介護に係る基本報酬の減算措置を含めた介護報酬の適正化」はこちら(12/12)

・「通所介護サービスの論点~生活機能向上連携加算の創設」はこちら(12/21)

 有料老人ホーム等の併設事業所に対する集合住宅減算の強化について

・「有料老人ホーム等の訪問介護サービスの見直し」はこちら(12/5)

 

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