井上寧(やすし)税理士事務所井上寧(やすし)税理士事務所

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2018.02.16.Fri | 税金(相続・贈与・譲渡)

相続税節税の原則「養子縁組を活用する」~基礎控除と非課税枠が拡大しますが、相続人が増えるのでもめる原因ともなります。両刃の剣です。

金曜日は、相続税や贈与税についてわかりやすく紹介しています。

普通の家庭でできる相続税の制度を活用した節税方法を紹介していきます。

三原則は次のとおり。

 

三原則のうち、第3原則の「制度を活用する」を紹介しています。

制度を活用して非課税・基礎控除を増やす方法です。

その中で、

効果的な方法は「養子縁組の活用」です。

しかし、メリットはありますが、デメリットもあります。

メリットは次のようなものです。

① 基礎控除が増加します。(基礎控除=600万円)

② 死亡生命保険金の非課税枠が増えます。(非課税枠=500万円)

③ 死亡退職金の非課税枠が増えます。(非課税枠=500万円)

④ 相続人が増加しますので、相続税の計算上、適用される税率が低くなる可能性があります。

下図の事例を参考にしてください。

養子の人数制限

ただし、民法上は何人でも養子縁組できますが、相続税法上は実子がいると2人までしか相続人に数えることできないので、ご注意ください。養子を利用した租税回避行為を防止するためです。

 

しかし、デメリットがあります。

① 孫を養子にした場合は、相続税が2割加算されます。

② 相続人が増えれば、1人当たりの取り分が減少しますので、争族になりやすい。

 

やはり養子縁組をする合理的な理由があり、他の相続人からも賛成されるような養子縁組が好ましいと思います。

単なる節税だけを目的とするのはリスクが大きいとは考えます。次のような規定がありますのでご注意ください。

 

相続人の数に算入される養子の数の否認

養子の人数制限について、たとえ制限人数内の養子であっても、養子を法定相続人の数に算入することが相続税の負担を不当に減少させる結果となると認められる場合は、これを否認するという規定があります。(相続税法第63条)

 

 

相続税に関することで気になることがあれば、お気軽に電話やメールでご相談ください(初回無料です)。

 

みなさん!今日も冬の1日を元気にお過ごしください。

 

金曜日は、「相続税に関する基礎知識」として「誰でもできる節税の三原則」を紹介しています。

・「相続税の節税の三原則~生前贈与と制度をフルに活用します」はこちら(12/8)

・「三原則のひとつ~不動産を活用する。お金をモノに換えておく」はこちら(12/15)

・「お金をモノに換えておく。小規模宅地等の減額特例」はこちら(12/22)

・「小規模宅地等の減額特例~土地を誰が相続するかにより評価額が変わります」はこちら(12/29)

・「小規模宅地等の減額特例~二世帯住宅は登記で特例適用が使えるどうかが分かれます」はこちら(1/5)

・「空き地を活用してアパートを建てるスキームとは」はこちら(1/12)

・「減額特例は老人ホームに入居した場合には適用がありますか?」はこちら(1/19)

・「制度を活用する!~生命保険のメリット」はこちら(1/26)

・「制度を活用する!~高齢で無保険であれば一時払い終身保険がおすすめです」はこちら(2/2)

・「生命保険金を活用する~保険料を支払っていた人は誰ですかに注意」はこちら(2/9)

 

「相続の権利」でよく問題となるケースは、次のとおり。

・「子どもがいる女性が再婚した場合の相続を考えます」はこちら(9/15)

・「子どもがいない夫婦の相続はどうなりますか?」はこちら(9/22)

・「離婚して慰謝料としてマイホームを夫から受け取りました。税金は?」はこちら(9/29)

・「面倒を見てくれていた同居の息子の嫁がいても、相続権はありません」はこちら(10/6)

・「おひとりさまの相続?」はこちら(10/13)

 

争族”を避けるための事前の基礎知識は、次のとおり。

・「遺産を相続人で分ける場合、平等は難しい」はこちら(10/20)

・「介護や世話の評価は、もめる原因に一番なりやすい」はこちら(10/27)

・「特別受益の持ち戻しは公平な相続を行うための気が利いた制度ですが」はこちら(11/3)

・「残す側の思いをしっかりと伝える遺言書」はこちら(11/10)

・「自筆証書遺言・公正証書遺言と成年後見制度の活用」はこちら(11/17)

・「遺言書に関係なく全員の合意があれば相続することができます!」はこちら(11/24)

・「遺産分割の話し合いがまとまらないと相続税に不利益が出てきます」はこちら(12/1)

 

ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。

・月曜日は「開業の基礎知識~初めて開業する方に、税理士からお伝えします」

・火・木曜日は「介護事業の基礎知識バージョンアップ゚編」

・水曜日は「同族会社とその役員の手引き」

・金曜日は「相続税や贈与税についてわかりやすく」

・土曜日は「会計の勉強を始めた起業者の方に“会計超理解ハンドブック”」

・日曜日の「住宅取得等資金の贈与の非課税の誤りやすい事例」

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ブログ記事の内容は、投稿時点での税法その他の法令に基づき記載しています。また、読者が理解しやすいように厳密ではない解説をしている部分があります。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。

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