井上寧(やすし)税理士事務所井上寧(やすし)税理士事務所

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2018.03.16.Fri | 税金(相続・贈与・譲渡)

もめごと回避に配慮して、次は「二次相続」のことも少し考えておきましょう。

金曜日は、相続税をわかりやすく紹介しています。

前回は節税よりはもめごと回避を優先くださいと、お伝えしました。相続税の制度を活用した節税方法は、単なる技術です。

それよりも、もめごとを回避する、もめごとを大きくしない、と考えることはいかがでしょうか?

もめ事の原因には歴史があります。蓄積された感情などが横たわり、節税の技術を駆使して解消できることは限られていると思います。

もめ事の中心になっているヒト・モノ・コトに、時間をかけて誠実に話し合うことをおすすめします。

 

今回

「もめごと回避に配慮して、次は「二次相続」のことも少し考えておきましょう」

です。

 

二次相続とは

たとえば父親が先になくなった後で、次に母親がなくなった際に発生する相続のことをいいます。

 

父親の相続の際に、そもそも何故、将来に起こるべき母親の相続を考慮した方が良いのでしょう?理由は

① 父親の相続の際に、主要な遺産を母親が相続していると、2次相続に際に再度相続税が課せられる遺産が多くなるという悪循環があります。

② 母親という重しがなくなり、兄弟間等のもめ事が顕在化・先鋭化する可能性があります。

 

特に2次相続に考慮した方がよい事例は次のようなケースです。

① 兄弟同士の仲が悪い場合

対応→ 父親がなくなった1次相続後の際に、2次相続の分割について相続人間で話し合います。話し合いを踏まえて、母親が遺言書を書きます。2次相続でどの財産を兄弟の誰に継がせるかを明確しておくことが大切になります。

 

② 一次相続の際に、母親の体調が非常に悪い場合

対応→ 1次相続では母親は何も相続しないのがベストですが、そうなると配偶者税額軽減が使えません。1次・2次相続をトータルに考える必要あります。その中で大切なことは母親の介護等を誰がするのかを決めておいて、それを中心に相続(遺産分割)を考えることになります。

 

③ 一次相続で不動産が多くある場合

対応 →1次相続の際に相続人間で、2次相続があった場合に、誰がどの不動産を引き継ぐが決めておきます。いずれ引き継ぐ予定の不動産を母親とそのこどもの共有にしておきます。

 

本当は、なかなか2次相続まで考慮した遺産分割を行うというのは容易ではないとは思います。

しかし、2次相続まで配慮した方が良いケースがあると思います。もめごと回避の次に、2次相続への配慮を頭の片隅に置いといていただければ良いかと思います。

 

相続税に関することで気になることがあれば、電話やメールでお気軽にご相談ください。

 

Every day is a new day!

みなさん!今日も春の1日を元気にお過ごしください。

 

金曜日は、「相続税に関する基礎知識」として「誰でもできる節税の三原則」を紹介しています。

・「相続税の節税の三原則~生前贈与と制度をフルに活用します」はこちら(12/8)

・「三原則のひとつ~不動産を活用する。お金をモノに換えておく」はこちら(12/15)

・「お金をモノに換えておく。小規模宅地等の減額特例」はこちら(12/22)

・「小規模宅地等の減額特例~土地を誰が相続するかにより評価額が変わります」はこちら(12/29)

・「小規模宅地等の減額特例~二世帯住宅は登記で特例適用が使えるどうかが分かれます」はこちら(1/5)

・「空き地を活用してアパートを建てるスキームとは」はこちら(1/12)

・「減額特例は老人ホームに入居した場合には適用がありますか?」はこちら(1/19)

・「制度を活用する!~生命保険のメリット」はこちら(1/26)

・「制度を活用する!~高齢で無保険であれば一時払い終身保険がおすすめです」はこちら(2/2)

・「生命保険金を活用する~保険料を支払っていた人は誰ですかに注意」はこちら(2/9)

・「養子縁組の活用~両刃の剣です」はこちら(2/16)

・「債務(マイナスの財産)も財産です。債務は相続財産から差し引きます」はこちら(2/23)

・「戒名料などの葬式費用の取扱い」はこちら(3/2)

・「考える優先順位は、もめごと回避が節税より優先します」はこちら(3/9)

 

「相続の権利」でよく問題となるケースは、次のとおり。

・「子どもがいる女性が再婚した場合の相続を考えます」はこちら(9/15)

・「子どもがいない夫婦の相続はどうなりますか?」はこちら(9/22)

・「離婚して慰謝料としてマイホームを夫から受け取りました。税金は?」はこちら(9/29)

・「面倒を見てくれていた同居の息子の嫁がいても、相続権はありません」はこちら(10/6)

・「おひとりさまの相続?」はこちら(10/13)

 

争族”を避けるための事前の基礎知識は、次のとおり。

・「遺産を相続人で分ける場合、平等は難しい」はこちら(10/20)

・「介護や世話の評価は、もめる原因に一番なりやすい」はこちら(10/27)

・「特別受益の持ち戻しは公平な相続を行うための気が利いた制度ですが」はこちら(11/3)

・「残す側の思いをしっかりと伝える遺言書」はこちら(11/10)

・「自筆証書遺言・公正証書遺言と成年後見制度の活用」はこちら(11/17)

・「遺言書に関係なく全員の合意があれば相続することができます!」はこちら(11/24)

・「遺産分割の話し合いがまとまらないと相続税に不利益が出てきます」はこちら(12/1)

 

ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。

・月曜日は「開業の基礎知識~初めて開業する方に、税理士からお伝えします」

・火・木曜日は「介護事業の基礎知識バージョンアップ゚編」

・水曜日は「事業承継・税理士の視点」

・金曜日は「相続税をわかりやすく!」

・土曜日は「経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方」

・日曜日は「贈与税で誤りやすい事例」

 

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