井上寧(やすし)税理士事務所井上寧(やすし)税理士事務所

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2018.04.18.Wed | 事業承継

「そもそも事業承継税制とはいったい何なのか?「新」事業承継税制では何が違うのか」~新事業承継税制②

水曜日は税理士の視点から事業承継を記事にしています。 

2回目は

「そもそも事業承継税制とはいったい何なのか?「新」事業承継税制では何が違うのか?」

です。

 

M&Aなどが増えつつあるといっても、親族などへの承継がメインです

しかし、事業承継にあたり、自社株式や事業用資産にかかる相続税や贈与税の納税資金をはじめ、事業承継後の安定した経営のためには、さまざまなお金が必要となります。

経営者の相続に伴う相続税負担が事業承継の障害になっていました。

 

そこで、中小企業の円滑な事業の承継のために経営承継円滑化法(平成20年5月)ができました

これには3つの支援措置があります。

① 非上場株式等の相続税および贈与税の納税猶予制度(事業承継税制)

② 遺留分に関する民法の特例

③ 経営承継のための金融支援制度

 

相続等にあたって中小企業の株式についての問題

中小企業の株式は、上場会社の株式のように売却することはなかなか困難です。しかし、相続や贈与にあたっては、含み益等がある会社の株式はかなり高額の評価となります。そうなると相続や贈与にあたって、売却が困難であるにもかかわらず、税負担が多額となりスムーズな事業の引継ぎができないという問題がありました。

 

そうした問題を解消するために

非上場株式等の相続税および贈与税の納税猶予制度ができました

現経営者から後継者に相続・贈与された自社株式について、後継者の事業継続などを要件に相続税または贈与税の納税が猶予・免除されるという制度です。

 

主な要件は

① 経営承継円滑化法に基づく都道府県知事の認定を受けることです。

② 相続税の申告期限以後、5年間で平均8割の従業員数の雇用を維持すること

などでした。

 

次の図を参照

(出所:中小企業庁「10年先の会社を考えよう」)

 

さらに、平成30年度では次の点を大きく変えて新たな制度として「新事業承継制度」として創設されています

(納税猶予割合は100%、贈与税・相続税の負担がゼロ) 

上の図にあるように、「納税猶予の対象になる株式数には2/3の上限、相続税の猶予割合は80%」が、今回「対象株式数の上限を撤廃して全株式が適用可能になります。納税猶予割合が100%に拡大することにより」、承継時の税負担がゼロになります。

 

□(雇用要件は実質撤廃) 

5年間で平均8割以上の雇用要件が未達成の場合でも、今回は「猶予が継続可能に(経営悪化等が理由の場合、認定支援機関の指導助言が必要)」なります。

 

新制度は、平成30年4月から5年以内に認定経営革新等支援機関の指導と助言を受けて作成した「特例承継計画」を提出し、10年以内に事業承継を行う場合に適用を行う場合に適用されます。

 

弊所では、認定経営革新等支援機関として「特例承継計画」の作成を支援しております。

今後承継をどうすればよいのかご不安をお持ちの中小企業の経営者の方は、ご相談ください。

 

少子高齢化などの社会的な変化を凝視しながら、事業承継についての取り組みを認定経営革新等支援機関として、またその対策を税理士の視点から考えていきます。

 

Every day is a new day!

みなさん。今日も春の1日を元気にお過ごしください。

 

新事業承継税制

・①「平成30年1月1日からの贈与・相続について適用されます」はこちら(4/11)

事業承継・税理士の視点

・①「相続と事業承継の相違はそもそも何か?」はこちら(3/7)

・②「事業承継に公的支援がされるのはなぜか?」はこちら(3/14)

・③「堀金箔粉~京都老舗の事業承継のルール」とはこちら(3/28)

・④「誰に事業を承継させるのか?親族内承継、従業員承継、M&A」とはこちら(4/4)

 

「同族会社とその役員の手引き」などの税金(法人)を紹介しています。あてはまる事例を参考にしてくださいね。

土地貸借の税務ルール

・「会社が、社長から土地を借りる」と税金の問題が発生します」はこちら(1/24)

・「会社が権利金を支払うケース」はこちら(1/31)

・「会社が相当の地代を支払うケース」はこちら(2/7)

・「権利金に代えて、相当の地代に満たない地代を支払うケース」はこちら(2/21)

・「無償返還に関する届出書を提出すると認定課税は行われません」はこちら(2/28)

 土地売買の税務ルール

・「会社が社長から土地を買う。その時の時価をどう算定するか」はこちら(12/13)

・「会社が社長から土地を買う。社長と会社の税金はどうなりますか?」はこちら(12/20)

・「会社が、社長から低額で土地を買うと税金の問題が発生します」はこちら(12/27)

・「会社が、社長から高額で土地を買うと…」はこちら(1/3)

・「社長が、会社から低い価額で土地を買うと…」はこちら(1/10)

・「社長が、会社から時価より高い価額で土地を買うと…」とはこちら(1/17)

建物貸借の税務ルール

・「会社が社長から建物を借りる」はこちら(10/11)

・「会社が社長から建物を借りる、社長の税金」はこちら(10/18)

・「社長が会社から建物を借りる、家賃のルール」はこちら(10/25)

・「社長が会社から建物を借りる、低額家賃の場合」はこちら(11/1)

 金銭貸借の税務ルール

・「会社が社長からお金を借りる」はこちら(11/8)

・「会社が社長からお金を借りる、高金利の場合」はこちら(11/15)

・「会社が社長からお金を借りる、無利息の場合」はこちら(11/22)

・「社長が会社からお金を借りる」はこちら(11/29)

・「社長が会社からお金を借りる、無利息の場合」はこちら(12/6)

 

ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。

・月曜日は「開業の基礎知識~初めて開業する方に税理士からお伝えします」

・火・木曜日は「介護事業の基礎知識~平成30年度介護報酬の改定」

・水曜日は「事業承継・税理士の視点」

・金曜日は「相続税をわかりやすく!」

・土曜日は「経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方」

・日曜日は「贈与税であやまりやすい事例」

 

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