課税期間を短縮している場合は「2割特例」を適用できません ~ インボイス制度 消費税[650]

消費税の記事を掲載します。
消費税課税期間特例選択届出書の提出により、課税期間を1月または3月に短縮している課税期間は2割特例の適用はありません
を紹介します。
2割特例とは
令和5年10 月1日から令和8年9月 30 日までの日の属する各課税期間において、免税事業者(免税事業者が「課税選択届出書」の提出により課税事業者となった場合を含みます。)がインボイス発行事業者となる場合には
納付税額の計算において控除する金額を、その課税期間における課税標準である金額の合計額に対する消費税額から売上げに係る対価の返還等の金額に係る消費税額の合計額を控除した残額に8割を乗じた額とすることができる特例です。
しかし
法人、個人を問わず、課税期間を1月または3月に短縮している課税期間は2割特例の適用はありません。
消費税の課税期間とは
個人事業者の課税期間は、1月1日から12月31日までの期間です。
年の中途で新たに事業を開始した場合や事業を廃止した場合においても、課税期間の開始の日は1月1日、終了の日は12月31日となります。
法人の課税期間は、その法人の事業年度です。
新たに法人を設立した場合には、課税期間の開始の日は設立の日、終了の日はその事業年度の末日となります。
課税期間の特例とは
課税期間は、特例として事業者の選択により、3か月ごとまたは1か月ごとに区分して短縮することができます。
A:個人事業者の場合
個人事業者が課税期間を3か月ごとに短縮する場合には、1月1日から3月31日まで、4月1日から6月30日まで、7月1日から9月30日まで、10月1日から12月31日までの各期間を課税期間とすることができます。
また、課税期間を1か月ごとに短縮する場合には、1月1日から1か月ごとに区分した各期間を1つの課税期間とすることができます。
B:法人の場合
法人が課税期間を短縮する場合には、事業年度の初日から3か月または1か月ごとに区分した各期間を1つの課税期間とすることができます。
課税期間の特例の適用を受けようとするとき
その特例の適用を受けようとするまたは変更しようとする短縮に係る課税期間の開始の日の前日までに、「消費税課税期間特例選択・変更届出書」を納税地の所轄税務署長に提出しなければなりません。
課税期間の特例の適用を受けている事業者が適用をやめようとする場合
課税期間の特例の適用をやめようとする課税期間の開始の日の前日までに、「消費税課税期間特例選択不適用届出書」を納税地の所轄税務署長に提出しなければなりません。
2年縛りがあります
すなわち、課税期間の特例の適用を受けた場合には、事業を廃止した場合を除き、2年間はその特例をやめることはできません。
<参考>
消費税法 第19条(課税期間)
「この法律において「課税期間」とは、次の各号に掲げる事業者の区分に応じ当該各号に定める期間とする。
一 個人事業者 1月1日から12月31日までの期間
二 法人 事業年度
三 第1号に定める期間を3月ごとの期間に短縮すること又は次号に定める各期間を3月ごとの期間に変更することについてその納税地を所轄する税務署長に届出書を提出した個人事業者1月1日から3月31日まで、4月1日から6月30日まで、7月1日から9月30日まで及び10月1日から12月31日までの各期間
三の二 第1号に定める期間を1月ごとの期間に短縮すること又は前号に定める各期間を1月ごとの期間に変更することについてその納税地を所轄する税務署長に届出書を提出した個人事業者 1月1日以後1月ごとに区分した各期間
四 その事業年度が3月を超える法人で第2号に定める期間を3月ごとの期間に短縮すること又は次号に定める各期間を3月ごとの期間に変更することについてその納税地を所轄する税務署長に届出書を提出したものその事業年度をその開始の日以後3月ごとに区分した各期間
四の二 その事業年度が1月を超える法人で第2号に定める期間を1月ごとの期間に短縮すること又は前号に定める各期間を1月ごとの期間に変更することについてその納税地を所轄する税務署長に届出書を提出したもの その事業年度をその開始の日以後1月ごとに区分した各期間」
(出所:国税庁 インボイスQ&A問115)
「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」
(ピーター F.ドラッカー)
立春の1日、朗らかにお過ごしくださいね。
[編集後記]
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