「2割特例」と「簡易課税」の2年縛りの適用関係について ~ インボイス制度 消費税[652]

消費税の記事を掲載します。
2割特例を適用したとしても、その適用した期間は簡易課税の2年縛りの「2年」にカウントしないというルールはありません
を紹介します。
2割特例とは
令和5年10 月1日から令和8年9月 30 日までの日の属する各課税期間において、免税事業者(免税事業者が「課税選択届出書」の提出により課税事業者となった場合を含みます。)がインボイス発行事業者となる場合には
納付税額の計算において控除する金額を、その課税期間における課税標準である金額の合計額に対する消費税額から売上げに係る対価の返還等の金額に係る消費税額の合計額を控除した残額に8割を乗じた額とすることができる特例です。
たとえば
免税事業者である個人事業者が、令和5年10月1日から登録を受けた場合
次のようなケースはどうでしょう。

令和4年中の課税売上高が1,000万円を超えています。令和6年は2割特例が使えません。もし、令和6年中に簡易課税制度選択届出書を出せば、その届出書を出した令和6年から簡易課税を使えます。
これは申告期限ではなく、令和6年中に出すということです。
また、簡易課税の2年縛りの期間中(たとえば令和7年)であっても、2割特例を使うことできます。2割特例を使ったとしても、簡易課税制度選択届出書の効力は継続しています。2年縛りの適用期間に変更はありません。
一方、たとえば
もし個人事業者が令和7年中に簡易課税制度選択届出書を提出したとするならば
令和7年と令和8年は簡易課税の強制適用期間になります。もし令和6年の課税売上高が1,000万円以下であれば、令和8年が簡易課税の2年縛りの期間中でも、2割特例を使うことができます。
すなわち、2割特例を適用したとしても、その適用した期間は簡易課税の2年縛りの「2年」にカウントしないというルールはありません。
令和8年に2割特例を使ったとしても、簡易課税の2年縛りは令和8年で終わりです。
「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」
(ピーター F.ドラッカー)
立春の1日、朗らかにお過ごしくださいね。
[編集後記]
ブログは、曜日によりテーマを決めて書いております。
月曜日~木曜日に、おもに消費税の記事を書いております。
金曜日は公益信託の記事を掲載しております。
・「贈与や相続・譲渡など資産税」または「確定申告などの所得税」
・「公益信託」
免責
ブログ記事の内容は、投稿時点での税法その他の法令に基づき記載しています。
また、読者が理解しやすいように厳密ではない解説をしている部分があります。
本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。