「公益信託」は「公益法人制度」とどこが違うのか? ~ 公益信託[87]

公益信託の記事を掲載します。
公益信託と公益信託制度とのおもな相違点について
を紹介します。
1 受託者および信託管理人について
① 多様な属性の法人や自然人が「受託者」「信託管理人」になることができます。複数受託者による共同受託の場合もあります。
② 法人の機関(理事、監事、評議員等)のような、内部ガバナンスに関する法令上の「型」がありません。
③ 受託者の権限・裁量は、信託行為(委託者との信託契約または委託者の遺言)によって制約されます。
④ 同一の法人などが複数の公益信託の受託者となることがあります(信託銀行の場合、100件近く受託しているケースもあります)。
⑤ 公益信託では次の点が重要になります。
ⅰ 公益信託の担い手としての能力(受託者の経理的基礎・技術的能力、信託管理人の監督能力)をいかにして確保するか?
ⅱ ガバナンスの基礎となる委託者の意思をいかにして明確化するか?
ⅲ 受託者等の属性(規模を含む)に応じて、手続・書類・情報開示をいかに合理的なものとし、審査・監督を効果的・効率的に行うか?公益信託事務・信託財産のほか、受託者の固有情報についても一定程度の情報開示が要求されます。
2 事務内容・財務規律について
① 「公益事務を行うこと」のみを目的とし、収益事業等を行うことはできません。
② 公益事務割合(cf.公益目的事業比率)は70%以上である必要があります。
言い換えると
公益事務割合(各年度の事業費/(事業費+管理費))が、100分の70以上であることが必要です。
③ 中期的収支均衡、使途不特定財産規制の対象は「公益信託事務」(管理費を含む)
言い換えると
ⅰ 毎年度、公益信託事務に係る経常収入(公益事務の収益、信託財産の利子収入など)と経常費用(公益事務のための支出(助成金など)や信託報酬など)を比較します。公益信託の収入と費用が、中期的(5年間)に均衡することが求められます。
ⅱ 使途不特定財産の保有制限
使途不特定財産(毎年度の末日において、現に使用されておらず、かつ引き続き使用されることが見込まれない財産)を、1年分の公益信託事務費相当額を超えて保有することができません。
④ 財務規律が適用除外となる「特定資産公益信託」があります。
特定資産公益信託とは
信託財産及び公益信託事務の内容に鑑み、収入及び支出についての予見可能性が高く、財産が確実に公益目的のための活用されることが確保されている公益信託です。財務規律が適用されません。
また、簡易な財務報告(収支決算書等)で可としています。
(出所:内閣府公益法人行政担当室HP「新しい公益信託制度について令和8年1月14日時点版」)
「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」
(ピーター・F.ドラッカー)
雨水の1日、朗らかにお過ごしくださいね。
[編集後記]
消費税の記事はお休みしました。
ブログは、曜日によりテーマを決めて書いております。
月曜日~木曜日に、おもに消費税の記事を書いております。
金曜日は公益信託の記事を掲載しております。
土・日・祝日は、ブログをお休みしております。
・「贈与や相続・譲渡など資産税」または「確定申告などの所得税」
・「公益信託」
免責
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また、読者が理解しやすいように厳密ではない解説をしている部分があります。
本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。


