井上寧(やすし)税理士事務所井上寧(やすし)税理士事務所

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2023.10.31.Tue | 電子帳簿保存法

電子取引したデータを電子データのまま保存することがルールです。しかし電子帳簿保存法に違反した場合「罰則」とは ~ 電子帳簿保存法改正[62]



電子帳簿保存法の電子取引の記事です。





今回は





電子帳簿保存法のルールにそって電子データを保存していない場合、“悪質”だと青色申告の取消対象になる可能性があります





を紹介します。





電子取引データの保存とは



あくまで電子データでやりとりしたものが対象であり、紙でやりとりしたものを電子データ化しなければならない訳ではありません。

受け取った場合だけでなく、送った場合にも保存する必要があります。



次の2つのルールを守る必要があります



A:改ざん防止のための措置

B:検索機能の確保(「日付・金額・取引先」で検索 できる必要があります)



A:改ざん防止のための措置とは



次の①~④のうちいずれかをクリアすればOKです。

 ① タイムスタンプが付与されたデータを受け取る。

 ② 保存するデータにタイムスタンプを付与する。

 ③ 訂正削除履歴が残るシステムまたは訂正削除ができないシステムで行う。

 ④ 正当な理由がない訂正削除の防止に関する事務処理規程を制定し、遵守する。



B:検索機能の確保(「日付・金額・取引先」で検索 できる必要があります)とは



 ① 取引等の「日付・金額・取引先」で検索ができる。

 ②「日付・金額」について範囲を指定して検索ができる。

 ③「日付・金額・取引先」を組み合わせて検索ができる。



ただし、特例があります。次のようなイメージです






「特例①」「特例②」「特例③」「特例④」の4つです。


どの特例でも電子データの保存は必須となっています。







しかし、電子データを保存していない場合は?


こうした場合に次のQ&Aが参考になります。




Q:


電子取引に係る電子データについて保存時に満たすべき要件を満たして保存できないため、すべて書面に出力して保存しています。

① これでは保存義務を果たしていることにはならないため青色申告の承認が取り消されてしまうのでしょうか?

② その電子データや書面は税務調査においてどのように取り扱われるのでしょうか?



A:


青色申告の承認の取消対象となります



令和6年1月1日以後に行う電子取引の取引情報に係る電子データについては、その電子データを出力した書面による保存をもって、電子データの保存に代えることはできません。

したがって、災害その他やむを得ない事または税務署長が相当の理由があると認める事由がなく、その電子データが保存時に満たすべき要件に従って保存されていない場合は青色申告の承認の取消対象となり得ます。



ただし、青色の承認の取消しは総合的に判断されます



青色申告の承認の取消しについては、違反の程度などを総合勘案の上、真に青色申告書を提出するにふさわしくないと認められるかどうかなどを検討した上、その適用を判断しています。



税務調査の取り扱いは次のようになります



電子データを要件に従って保存していない場合や電子データを出力した書面を保存している場合については、電子データや書面等は、国税関係書類以外の書類とみなされません。

ただし、その申告内容の適正性については、税務調査において、納税者からの追加的な説明や資料提出、取引先の情報等を総合勘案して確認することとなります。



電子データの保存がない場合、次のように他のエビデンスで確認できれば問題はありません



「従来と同様に、例えば、その取引が正しく記帳されて申告にも反映されており、保存すべき取引情報の内容が書面を含む電子データ以外から確認できるような場合には、それ以外の特段の事由が無いにもかかわらず、直ちに青色申告の承認が取り消されたり、金銭の支出がなかったものと判断されたりするものではありません。」








(出所:令和5年6月 国税庁「電子帳簿保存法一問一答 電子取引関係」 問66)









「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」

(ピーター F.ドラッカー)

秋の1日、元気にお過ごしくださいね。





[編集後記]

今日は、消費税の記事はお休みしました。





ブログは、曜日によりテーマを決めて書いておりましたが、現在はインボイスなど消費税の記事を取り上げて、月曜日~金曜日に記事を書いております。




「消費税」

「法人税」または「経理・会計」

「贈与や相続・譲渡など資産税」または「確定申告などの所得税」










免責

ブログ記事の内容は、投稿時点での税法その他の法令に基づき記載しています。

また、読者が理解しやすいように厳密ではない解説をしている部分があります。

本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。

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