毎週水曜日は、「個人事業と会社で事業をした場合、税金はどう違う?」です。前回のメリットは、「生命保険の解約返戻金を退職金に活用する。」でした。

今回は「会社にすると赤字の繰り越し期間が3年から9年に延びる。」です。

ざっくりと、お伝えしたい結論を申し上げますと

1個人事業の場合、赤字になった場合、繰り越し期間は3年間のみ。

2一方、会社の場合、繰り越しの期間は9年間に延長されます。(平成30年4月1日以後に開始する事業年度からは10年間に延長されます。)

※ ここでいう欠損金は青色欠損金の繰り越し期間をいいます。

3会社にも、個人事業と同じ、前年の税金の繰り越し還付の制度があります。

個人事業の赤字の繰り越しとは

たとえば、開業1年目は赤字が▲800万円となり、2年目から4年目は毎年200万円の黒字の場合、2年目から4年目までの黒字は1年目の赤字と相殺することができます。税金は生じません。しかし、次のように4年目でも相殺しきれなかった残りの金額200万円は切り捨てになります。

▲800万円(1年目)-600万円(200万円×3年間:2~4年目)=▲200万円切捨

会社の場合は、この赤字の繰り越し期間が9年間に延長されます

会社の場合、繰り越し期間が3年間から9年間に延びます。先の個人事業の事例でみますと、たとえば5年目が黒字であるとすると、その黒字と相殺できます。

5年目が利益200万円の黒字だとすると、

200万円(5年目)-▲200万円(繰越分)=0(5年目)

繰り越し期間の3年と9年の違いは大きいと思います。1年という事業年度の物差しではなく、9年の長期の経営期間という物差しで考えることができます。

(毎年、黒字の決算の方が良いに決まっていますが…。)

一方、個人も会社も、前年の税金の繰り戻し還付の制度があります

前年度が黒字で、今年度が赤字の場合に、手続きにより請求すれば前年の税金が戻ってくる制度です。この制度は、赤字の繰り越し制度との選択になっています。どちらを使うかは将来的な見通しを立てて慎重に検討することが重要だと思います。

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