大阪府地域医療構想に基づき、在宅医療・介護連携推進事業への取り組みが「吹田市在宅医療・介護連携推進協議会」で検討されています。

一方、在宅医療の現状や課題については、吹田市地域医療懇談会で検討されています。

今回は昨年の10月13日に開催された2回目の懇談会で、資料として提出された「訪問看護の実態調査結果」(吹田市健康医療部地域医療推進室)を引き続きみていきたいと思います。

実態調査の概要は、

調査対象:吹田市内の訪問看護ステーション 37事業所

回収状況:100%

調査時点:平成28年5月末

実態調査によると、市内の訪問看護ステーションは、開設5年未満の事業所が半数を占めるとともに、看護職員5人未満の小規模事業所が約76%になると報告しています。

調査は、続いて事業所の加算の状況、利用者の状況・受入状況、医療的管理ケアの実施状況、今後の事業所運営の方向性など興味深い内容が記載されています。

報告書の最後には、次のように看護職員から「在宅医療に関する意見」が提出されています。

●医師との連携

・夜間・休日等状態の悪化に伴う主治医との連携(主治医への報告・指示を受ける)が必須ですが、基幹病院が主治医の場合、細やかな連携が取りにくい。

・病院の医師が主治医の時、報告はあげるがリアルタイムの指示がもらえない。

・指示書をいただいているのに、相談で電話すると、「個人情報になるので・・・」と断られ、連携が取りにくかった。

●訪問看護のマンパワー

・訪問看護のニーズは高まっているのに、人員が集まらず、「きつい」「24時間拘束」「ファーストコール」などのハードルが上がり大変。

●加算の算定について

・24時間体制加算の届出し実際に対応しているが、請求事務、監査等の事務が煩雑であるため、今は24時間対応の契約をせずにボランティアで対応している状況。

・加算を算定するためにはかなり要件があり、書類・計画書その他細々としたことを揃えていかなければ減算や加算取消などが行われ、本来の看護ケアでなく、その事務作業に疲弊してしまう。

●認知症ケースの医療的ケア

・認知症の利用者が増加。例えば、糖尿病インシュリン治療者で夫婦ともに認知症があるような、毎日医療的ケアが必要なケースに対応できるしくみがない。

●医療依存度の高いケースのレスパイトケア

・医療依存度が高い人のレスパイトや退院直後の不安定な時期のサポートのために、看護小規模多機能を増やすべき。市が、看護小規模多機能を増やすなどの方針を出してほしい。

 ●施設等での看取り

・在宅困難な方の看取りの場(病院以外で)が必要。施設入所者も施設と入院を繰り返しており、両方の費用がかかり大変。施設内での看取りが困難。

 ●市民啓発

・利用者自身がどういう医療を望むのか考えていただきたい。病院へ行けば何とかなるという考え方の人もいる。市民講座等での啓発が必要。

●在宅医療の充実に必要なこと

・①かかりつけ医の訪問診療の充実、②基幹病院が主治医の場合、訪問看護との連携体制の確立、③医療依存度の高い方等は必ず在宅医を利用すること

・医療スタッフの意識の変化

これらの意見を聞いてますと、地域包括ケアシステムにおいて重要な役割を担う訪問看護ステーションにおける、医師とのコミュニケーションや将来の訪問看護を担う人材へのアピール不足、過重な事務作業などの課題がよく分かります。

これらをひとつひとつ着実に解消していく方法を生み出していくお手伝いをしていきたいと思います。

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