「地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律」が5月26日に可決。6月2日に公布されています。

改正案のポイントとなるのが、「要介護度を改善した自治体に交付金」という財政的インセンティブの導入です。

 

その背景となった重度化防止のモデルとなっているのが和光市です。

前回は、和光市が「高齢者をはじめ市民や事業者に対して、自立支援の理念を浸透させることに力を注いできた。」ことをお伝えしました。

今回は、和光市が実際に行っている高齢者の自立支援の取り組みをお伝えします。

 

自立支援の意識付けを徹底するのが理念

本人や家族に、「保険給付は自分でできるようになるにつれ漸減するものだ。」ということを理解してもらうから始めています。

これを、要介護認定の申請、ケアマネジメント、介護サービス利用の各段階に繰り返し行います。

そうすることにより、「要介護度が軽くなることが喜ばしいことである。」という感覚を利用者と家族に理解していただくようにします。

 

和光市の市職員の取り組み

1 窓口対応する職員は、要介護認定の申請者(本人または家族)に、ADLやIDALの状況を詳細に確認して、申請の理由を把握します。

2 職員は、この段階で困っている問題を整理して、3か月から6か月後の状態変化を予測して、介護サービスによる解決が適当かどうかを判断します。

3 介護サービスにつなぐ場合は、問題が解決されれば、「介護サービスを卒業することとなり、地域支援事業等を紹介する。」ということを丁寧に説明します。

4 なお、介護サービスによる解決が適当かどうかを判断する場合に、地域支援事業で支えることが適当であると判断したときは、地域包括支援センターにつなぎます。

5 また、介護サービスで支援することとなった場合、認定調査員が訪問調査を通じて、自宅での生活状況を知る中で、困っている問題を具体的に把握します。この段階においても、問題が解決すれば、介護サービスは卒業することとなることを調査員が説明しています。

6 担当課の職員には、窓口での相談や認定調査の際に、これらの対応できるようにベテラン職員からOJTによる教育が行われています。

 

地域包括支援センターの取り組み

市が介護サービスより地域支援事業による支援が適切であると判断した場合、地域包括支援センターが訪問し、地域支援事業からふさわしいサービスを提供します。この対応内容は市と地域包括センターの双方向でデータベース化されています。

また、介護サービスの利用者に対しても、インテークの段階で介護のサービスの卒業を意識づけています。

 

サービス事業者の取り組み

サービスの提供を開始する時点で、到達目標とサービス内容・実施期間を確認して、目標に到達すれば、サービスが終了することの理解を促しています。

 

(内容は「市町村介護予防強化推進事業報告書-資源開発・地域づくり実例集」:厚生労働省から引用しています)

 

こうした取り組みができるのは、和光市が時間をかけて、全国でも早くから介護予防に取り組み、積極的に市民に情報を発信してきた経験による蓄積があるからだと思います。

 

「財政的インセンティブの導入」の記事はこちら(6/13)

「財政的インセンティブと要介護認定率など」の記事はこちら(6/15)

「インセンティブ導入の背景となった介護予防強化推進事業報告書」の記事はこちら(6/17)

「自立支援が理念となっている和光市の取り組み」の記事はこちら(6/20)

 

しばらくは、火・木・土曜日は介護保険法の改正内容を記事にしたいと思っています。

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