土曜日は〝介護事業者のための会計ハンドブック〟として、経営に必要な会計を分かりやすく紹介しています。今回は5回目。

「利益がないと借金は返済できません。」です。

 

「会計」と言っていますが、要するに「お金の管理」です。

領収書を整理したり、伝票をつくったりすることは、会社にとって必要なことですが、経営者にとって大切なことは、「お金の動きを通して会社の状態を把握し、経営をコントロールする。」(「起業の技術」浜口孝則:かんき出版)」ことです。

 

借入金を借り換え等していけば、経営は継続しているように見えます。しかし、本質的には借入金は減っていません。借入金を減らすには、利益をあげる必要があります。

 

イメージとしてつかんでいただきたいと思いますので、上図「お金がないと返済できません(お金の流れ)」を作成しました。

 

上図の左から、見方を紹介します。

① 売上高を予測(目標額)します。

② 粗利率は通常は、ほぼ一定しています。

③ 粗利益から固定費(人件費やその他の固定費)を差し引いたものが利益です。

④ 利益から税金(法人税、事業税や住民税)を申告・納付します。

⑤ 減価償却費は費用ですが、キャッシュアウトしませんので税引後利益に加えます。

⑥ 税引後利益に減価償却費を加えたものが、借入金の返済の元手になります。また設備投資の元手にもなります。さらに、次期繰越の資金の元手になります。

(「超ドンブリ経営のすすめ:和仁達也氏54頁から加筆引用」

 

具体的な数字でご紹介します。

例えば、300万円を約2年半(30ケ月)で返すことで借入することにしました。

返済に必要な利益と売上高を試算すると次のとおりです。

 

① 返済に必要な税引前利益 300万円 ÷ 0.71  = 430万円

② 返済に必要な売上高    430万円 ÷ 5.5%※2  =7,800万円

 

※1 税引前利益から法人税や事業税などの税金負担率を30%とします。

※2 平成27年度の訪問介護の収支差率を5.5%(平成28年度介護事業経営概況調査結果から)とします。

 

借入金の返済には、返済に必要な売上や利益が必要です。

予測通りにはならないケースが多いとは思いますが、合理的に予測して試算結果をもとに、日々の経営を継続されるということを、お勧めします。

また、専門家にご照会していただければ、計数の予測は回答できると思います。

 

火・木・土曜日は、「介護事業の基礎知識バージョンアップ編」として、記事を紹介しています。

 

「介護事業の基礎知識バージョンアップ編」は、ケアビジネスに関心がある方やこれから介護事業の経営に取り組まれようと考えられている方を対象に、介護事業に関する基本的で重要な事項を紹介する内容にしていきます。

 

このうち、土曜日は次のとおり〝介護事業者のための会計ハンドブック〟を連載しています。

・「『キャッシュがない?税金が支払えない!』とならないように!手元資金と利益は一致しません」はこちら(9/9)

・「現金回収と支払の「時間差」で起きる「黒字倒産」。介護事業では資金繰りが大切です」はこちら(9/2)

・「資金ショートを防ぐ介護事業の開業時運転資金の調達は計画的に」はこちら(8/26)

・「介護事業の開業時には、『運転資金』は4~5ヶ月分のお金が必要?の根拠」はこちら(8/19)

 

最近の火・木曜日の「介護事業の基礎知識バージョンアップ編」の記事は次のとおりです。

・「その3公的介護保険外サービスのポイントは土着性!【卯津羅泰生氏】」はこちら(9/14)

・「その2地域に根差した公的介護保険外サービスのポイント」【卯津羅泰生氏】はこちら(9/12)

・「地域に根差した公的介護保険外サービスのポイント」【卯津羅泰生氏】はこちら(9/7)

最近よく読まれている記事

・「平成30年度の介護報酬改定まで、あと4か月およびそのスケジュール感」はこちら(8/17)

 

介護事業は社会課題解決事業です。

 

保険料と税で運営されている社会保険制度としての制度ビジネスです。3年ごとに改定される制度変更には、しっかりと対応することをおすすめします。

 

課題をお持ちの開業を準備されている方や準備を検討されている方は、是非、ご相談ください。一緒にベストな解決策を検討しましょう。

 

制度変更により、大きく収入が落ち込んで事業縮小や廃業を余儀なくされるケースを避けるために、制度改定や会計数字を予測して、事業経営に活用することが大切だと思います。

 

月・水・金は次のとおり税務の記事を紹介しています。

月曜日は「マイホームの税金の手引き」

水曜日は「会社で事業をした場合(法人成り)のメリット」

金曜日は「いざそのときにあわてないための相続税や贈与税に関する知識」

 

会計、税務、経営に関するご質問・ご相談については、窓口から電話やメールでお気軽にご相談ください。(無料です。)