住民税の壁「100万の壁」に続き、前週の日曜日は、所得税の「103万円の壁」をご紹介しました。

それとは別に「130万円の壁」があります。社会保険制度の壁です。

 

「130万円の壁」とは

パート主婦の年収が130万円以上になると社会保険料(厚生年金や健康保険)を支払う必要が生じるというものです。

 

「130万円の壁」をもう少し、くわしく紹介しますと

パートやアルバイトは、1週間の所定労働時間および所定労働日数が、正社員と比べて4分の3以上となると社会保険の被保険者になります。

多くの会社では1週間の所定労働時間を40時間と定めています。そのためパートタイマーは労働時間がおおむね週30時間以上でなければ社会保険の対象となりません。また会社員(例えば「夫」)の配偶者(妻)がパートをしている場合には、配偶者の年収が130万円未満であれば、夫の扶養に入り、配偶者自らが社会保険料を負担する必要はありません。

こうしたことから、パートで働いている主婦は労働時間を週30時間未満、年収を130万円未満に抑えて就業調整を行うこと傾向があります。

 

具体的な数字から(「新配偶者控除」の改正後)を

① 妻の給与収入103万円、夫の給与収入500万円の世帯の場合

ⅰ夫の手取額  395万円(所得税、住民税、社会保険料控除後)

ⅱ妻の手取額  102万円(個人住民税が課税されます)

合 計    497万円

 

① 妻の給与収入130万円、夫の給与収入500万円の世帯の場合

ⅰ夫の手取額  395万円(所得税、住民税、社会保険料控除後)

ⅱ妻の手取額  108万円(所得税、住民税、社会保険料控除を負担、控除後)

合 計     503万円

 

妻の収入が103万円から130万円に増加しましたが、世帯収入は手取りで6万円しか増加していません。(「配偶者控除等の改正でこう変わる!:石井俊彦ほか共著」から加筆修正)

 

これを壁というのはどうでしょう?税の壁と社会保険の壁は意味が違うと思います。

そもそも、税金と社会保険は成り立ちが違います。

支払う税金と受ける公共サービスは、一対一で結び付いていません。税金は「取られる」感覚が強いと思います。対価なく収入が減るという気持ちですよね。

 

しかし、社会保険は、将来の年金受給や、病院での受診時の医療費負担を通じて対価性のある給付が明らかです。給付を受けるために保険料を拠出することを「壁」というのは、税金と社会保険を同列に扱っています。本当は、両者は相違するものだと思います。

しかし、新たに支払う方から見れば、負担が増加することになりますよね。

改正前と改正後で、配偶者控除等の適用額が変化します。配偶者控除等の適用額を予測し、パート収入を合理的に見積もり、改正後に損が出ないようにすることをおすすめします。

 

専門家に事前に相談して、計画的に試算することをおすすめします。

 

月・水・金は次のとおり税務の記事を

月曜日は「マイホームの税金の手引き」

水曜日は「会社で事業をした場合(法人成り)のメリット」

金曜日は「いざそのときにあわてないための相続税や贈与税に関する知識」

 

火・木・土曜日は、「介護事業の基礎知識バージョンアップ編」として、記事を紹介しています。

 

「介護事業の基礎知識バージョンアップ編」は、ケアビジネスに関心がある方やこれから介護事業の経営に取り組まれようと考えられている方を対象に、介護事業に関する基本的で重要な事項を紹介する内容にしていきます。

 

このうち土曜日は次のとおり〝介護事業者のための会計ハンドブック〟を連載しています。

・「利益がないと借金は返済できません!」はこちら(9/16)

・「『キャッシュがない?税金が支払えない!』とならないように!手元資金と利益は一致しません」はこちら(9/9)

 

最近の火・木曜日の「介護事業の基礎知識バージョンアップ編」の記事は次のとおりです。

・「その3公的介護保険外サービスのポイントは土着性!【卯津羅泰生氏】」はこちら(9/14)

・「その2地域に根差した公的介護保険外サービスのポイント」【卯津羅泰生氏】はこちら(9/12)

・「地域に根差した公的介護保険外サービスのポイント」【卯津羅泰生氏】はこちら(9/7)

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