21日(木)に介護分野にビッグデータが何故必要なのか?を考えました。厚生労働省は「自立支援に向けた科学的介護を実現するために」、その必要性を紹介しています。

 

では、自立支援とはどういうものか?

平成28年11月10日の未来投資会議(第2回)の構造改革徹底推進会合「医療・介護-生活者の暮らしを豊かに」で、次のように紹介されています。

 

「高齢者の要介護度を改善すると介護報酬が下がってしまう現行の制度を改め、自立支援によって要介護度を改善させた介護事業所に対するインセンティブ措置を導入すること」

翁百合株式会社日本総合研究所副理事長発言(平成28年11月10日同会議)

 

「まず、自立支援介護、ちょっと耳なれない言葉だと思います」

「これの説明なのですが、一旦要介護になった人をもう一度自立状態に引き戻す介護でございまして、従来のものとは方法と理論が異なる新しい介護だと御理解いただきたいと思います。」

 

「どれぐらい戻れるのかということ、これまでの実績から大ざっぱに検討してみると、現在の要介護者の約半数ぐらいは、要するに、半減ぐらいはできそうだと私は予想しているのですが、そのための仕組みづくりをこれからすごくやっていかないといけなということになります」

竹内孝仁国際医療福祉大学教授(平成28年11月10日同会議)

 

具体的には、下図のような取り組みが「自立支援指向の介護」(科学的に裏付けられた介護)です。

このため介護情報等を収集し、データベースを構築して、自立支援・重度化防止に向けた科学的介護の取り組みを全国的に展開していくというものです。

 

 

反論は次のとおりです。

「いわゆる『自立支援介護』について(意見)」全国老人福祉施設協議会(平成28年12月5日)は次のとおり。

「自然の摂理をありのままに受け入れ、社会で支え合うなかで『いま出来ることを、出来るだけの間、出来るままいてもらう』ことにも、『次第に出来ることが限られていくなかにも、そのひとらしく暮らしていける環境をつくる』ことにも、大いに価値があります。」

 

「それらを実現するための入浴や排泄等日常生活の支援を評価せず、要介護度が軽度になることだけを尺度とすることは、自然の摂理を無視し、生活の質を軽んずるものであり、介護保険制度の歴史に逆行するものです。」

 

「仮にいわゆる『自立支援介護』が敷かれた場合、特養において利用者の意に反して栄養を投与し、リハビリを重ね、歩行器で歩かせることを強いるような『QOLの向上を伴わないADL回復の目的化』が促進されるリスクが強く危惧されます」

 

「高齢者の自立支援・重度化防止に向けた取組の推進に対する声明」日本社会福祉士会(平成29年4月7日)は次のとおり。

「加齢に伴う身体的機能の低下は誰もが避けることができない現象であるにも関わらず、要介護度の改善や要介護認定率を評価尺度としたインセンティブあるいはディスインセンティブ措置は、要介護状態を悪とする偏見を助長するとともに、適正なサービス利用を阻害し、安心して介護サービスを利用できなくなる恐れがあります。」

 

「また、高齢者本人の意志に基づかない身体的自立に偏重した自立支援は、介護保険法の目的である高齢者の『尊厳の保持』に反することになり、制度の根幹を揺るがすことになりかねません」

 

ご覧のように、賛否ありますが。

今後、国としては利用者の自立支援を促す仕組みに改め、事業者をつうじて利用者の要介護度の改善を促して、将来の介護給付費の抑制を図りたい考えです。

 

火・木・土曜日は、「介護事業の基礎知識バージョンアップ編」として、記事を紹介しています。

 

「介護事業の基礎知識バージョンアップ編」は、ケアビジネスに関心がある方やこれから介護事業の経営に取り組まれようと考えられている方を対象に、介護事業に関する基本的で重要な事項を紹介する内容にしていきます。

 

最近の火・木曜日の「介護事業の基礎知識バージョンアップ編」の記事は次のとおりです。

・「データヘルス改革の方向性~ビッグデータの活用は自立支援に向けた科学的介護を実現するため」はこちら(9/21)

・「科学的介護を実現するため、『介護データを収集し、ビッグデータとして活用』」が必要です」はこちら(9/19)

 

このうち、土曜日は次のとおり「介護事業者のための会計ハンドブック」を連載しています。

・「介護会計?介護事業における会計ルールとは?」はこちら(9/23)

・「利益がないと借金は返済できません!」はこちら(9/16)

・「『キャッシュがない?税金が支払えない!』とならないように!手元資金と利益は一致しません」はこちら(9/9)

 

よく読まれている記事

・「平成30年度の介護報酬改定まで、あと4か月およびそのスケジュール感」はこちら(8/17)

 

介護事業は社会課題解決事業です。

保険料と税で運営されている社会保険制度としての制度ビジネスです。3年ごとに改定される制度変更には、しっかりと対応することをおすすめします。

 

課題をお持ちの開業を準備されている方や準備を検討されている方は、是非、ご相談ください。一緒にベストな解決策を検討しましょう。

 

制度変更により、大きく収入が落ち込んで事業縮小や廃業を余儀なくされるケースを避けるために、制度改定や会計数字を予測して、事業経営に活用することが大切だと思います。

 

月・水・金は次のとおり税務の記事を紹介しています。

月曜日は「マイホームの税金の手引き」

水曜日は「会社で事業をした場合(法人成り)のメリット」

金曜日は「いざそのときにあわてないための相続税や贈与税に関する知識」

 

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