10/11の水曜日のブログから、「同族会社とその役員との取引」について、税務上の問題点を取りあげて紹介しています。

 

同族会社とその社長との間では、取引が行われるケースがよくあります。このような場合には、通常の市場での取引では考えられないような内容で、同族会社とその社長との間で行われる取引が生じることがあります。

 

将来にわたって問題を発生させないために、税務上の予防として対策を考えていきたいと思います。前回、前々回に「会社が、社長から事業用建物を借りるケース」を紹介しました。

 

今回は「会社が、社長に対して住宅を貸す場合」です。

 

【会社からの照会】

「当社では、オーナー社長に当社所有の建物を、社長の居住用の住宅として貸しています。低額の家賃にしていますが、税務上、問題になりますか?家賃の設定ルールはあるのでしょうか?」

 

【回答】

税務上、適正な家賃のルールがあります。もし、家賃が低額の場合、社長に給与課税されますのでご注意ください

 

賃貸している住宅の区分により、次のように税務上の適正な家賃のルールがあります。

① 通常※1の社宅の場合

次のイとロの合計額が通常の賃貸料月額になります。

イ (その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×12%×1/12

ただし、建物の耐用年数が30年を超える場合には12%ではなく、10%を乗じます。

ロ (その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×6%×1/12

※1 住宅の床面積が132㎡(耐用年数30年超の場合は99㎡)を超え、240㎡以下のもの

 

 

この算式により、家賃として毎月の社長の報酬から天引きすれば、問題ありません。

ただし、借上社宅(他から借りたものを社長に転貸している場合)は、別の算式により適正な家賃を計算して、社長から徴収します。

 

借上社宅の別の算式はこちらの記事

・「役員に社宅貸与している場合、役員から1か月当たり一定額の家賃を受け取っていれば給与として課税されません」(7/5)

 

② 小規模住宅の場合

次のイとロの合計額が通常の賃貸料月額になります。

イ (その年度の建物固定資産税の課税標準額)×0.2%+12円×(家屋の総面積)/3.3㎡

ロ (その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22%

この小規模住宅の場合は、会社所有の社宅や借上社宅であっても、この算式で計算した賃貸料が適正家賃となります。

 

※ 小規模住宅とは住宅の床面積が132㎡(耐用年数30年超の場合は99㎡)以下のものをいいます。

 

③ 豪華な役員社宅の場合

社長が社宅として借りている家屋が豪華な住宅は、その住宅が一般の賃貸住宅であるとした場合に支払うべき金額(通常の世間相場)が適正な家賃になります。

 

会社が、社長に対して住宅を貸す場合に、家賃の適正金額にはルールがあります。あまり低額の家賃だと税務上問題となります。次回の水曜日は、どういう問題かをご紹介します。

 

会社と役員の取引には、リスクがともないます。事前に専門家に相談されることをおすすめします。

会社と役員の税金に関して気になる問題がある方は、電話やメールでお気軽にご相談ください(初回は無料です)。

 

月・水・金は次のとおり税務の記事を紹介しています。

 

月曜日は「マイホームの税金の手引き」

水曜日は「同族会社とその役員との取引」

・「会社に事業用建物を貸した社長の税金~極端に高い家賃でなければ問題はありません」はこちら(10/18)

・「会社が、社長から事業用建物を借りる場合に、家賃と税金はどうなりますか?」はこちら(10/11)

 

金曜日は「いざそのときにあわてないための相続税や贈与税に関する知識」

日曜日は「2018年3月申告用の所得税確定申告の手引き」

 

火・木曜日は、「介護事業の基礎知識バージョンアップ゚編」として、記事を紹介しています。

 

「介護事業の基礎知識バージョンアップ編」は、ケアビジネスに関心がある方やこれから介護事業の経営に取り組まれようと考えられている方を対象に、介護事業に関する基本的で重要な事項を紹介する内容にしていきます。

 

最近の火・木曜日の介護事業の基礎知識バージョンアップ編」の記事は次のとおりです。

・「ヘルスケアサービスでマネタイズ゙ができている先駆的事業モデル」(株)FiNCや健康年齢少額短期保険(株)~ヘルスケア業界の今とビジネスモデルの基本的な考え方」はこちら(10/24)

・「グレーゾーン解消制度の活用!ヘルスケアサービス事業成功に向けて」はこちら(10/19)

 

最近よく読まれている記事

・「平成30年度の介護報酬改定まで、あと4か月およびそのスケジュール感」はこちら(8/17)