水曜日は、「同族会社とその役員との取引」について税務上の問題点となるケースを取りあげて紹介しています。6回目です。

 

同族会社で発生する問題に対して、税務上の予防として対策を考えていきたいと思います。

小さな会社で、発生することがありますよね。仕方のないケースがありますが。会社と社長とのお金の貸し借り。

 

前回は「会社が、社長からお金を借りる」場合の注意点を考えました。

借り手が会社、貸し手が社長の場合です。ポイントが次の3点。「①金銭消費貸借契約書の作成」、「②取締役会議事録(取締役会の承認)」、「③適正な利息の設定」でした。

 

こうした場合に、適正な利息以上の金利(高い金利)により、お金を借りた場合は(借り手:会社、貸し手:社長)双方に問題が生じます。

 

① 借り手:会社の税金の問題があります。

会社側では、適正な利息を超える部分が役員報酬となり、源泉徴収と過大報酬の判定の問題につながっていきますので注意です。

適正な利息部分は支払利息にカウントされますが、それを超える部分は法人税法上、役員報酬となります。そうすると、会社側にその役員報酬に対する源泉徴収の問題が発生します。

さらに、適正な利息部分を超える部分の利息と通常の役員報酬を合計したところで、その役員報酬が適正かどうかを判定することになります。

その合計額が役員報酬として不相当に高額であれば、不相当に高額な部分は損金に算入されません。

 

② 貸し手:社長の税金の問題が発生します。

適正な金利により受け取った利息である場合は、社長の雑所得になります。社長は給与所得と雑所得の確定申告が必要になります。

同族会社の役員がその同族会社から支払を受ける貸付金の利息については、20万円以下でも確定申告は不要とはなりませんで、注意が必要です。

また、適正な利息を超える利息を受け取っている場合は、その適正利息を超える部分については給与所得となります。

 

 分かりやすくいいうと「現物給与」になるということです。

表面上は給与と認識されませんが、実質的にはその役員に対して会社が給与を支給したと同様の経済的効果をもたらすものをいいます。現金支給以外の経済的利益の供与を現物給与とよんでいます。根拠は次のとおり。

 

<参考> 法人税基本通達9-2-9 債務の免除による利益その他の経済的な利益

《役員給与》及び《過大な使用人給与の損金不算入》に規定する「債務の免除による利益その他の経済的な利益」とは、次に掲げるもののように、法人がこれらの行為をしたことにより実質的にその役員等(省略)に対して給与を支給したと同様の経済的効果をもたらすもの(省略)をいう。

 

会社と役員の取引には、思わぬところで税務上のリスクが発生することがあります。

税金の常識は、皆様が思っておられる日常の常識と相違する場合がありますので、専門家に相談されることをおすすめします。

 

会社の会計や税務で気になる点について一緒にベストな解決策を検討しましょう。

ご相談については、電話やメールでお気軽にご相談ください(来所していただける場合初回無料です)。

 

水曜日は「同族会社とその役員の手引き」を紹介しています。

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