大阪健康寿命延伸産業創出プラットホーム(略称「OKJP」)の「新規ビジネスプラン創出研究会」での、志水武史氏のヘルスケアビジネスの基本的な考え方を16回にわたって紹介してきました。

 

今回から、介護報酬改定の動向を紹介します。改定の内容については、現在、厚生労働省の社会保障審議会の介護給費分科会で議論されています。

あくまで改定の動向です。決定ではありませんが、何が論点となっているのか知っておくことは大切だと思います。

 

介護報酬改定で適正化の対象になりそうなもので、主なものは次の三つ

① 有料老人ホーム等の併設事業所に対する集合住宅減算の強化

② 訪問介護の生活援助

③ 通所介護

 

今回は上記の①の「有料老人ホーム等の併設事業所に対する集合住宅減算の強化」を紹介します。

 

まず、見直しの対象となった理由とは

平成27年介護報酬改定により、対象施設の範囲拡大された結果、集合住宅減算の対象割合は、請求事業所数で1.7%から20.9%に割合が上昇(下図の折れ線グラフ参照)。

また、訪問回数では全体の34%で全体の3分の1以上が、集合減算の対象割合になっているという状態です(下図の真ん中の右箱図を参照)。

(出所:第142回社会保障審議会 (介護給付費分科会)資料)

 

この減算による減収分を、サービス提供の回数を増やすことにより取り戻すというサービスモデルが問題視されるとともに、一部の地域で有料老人ホーム等における介護サービスの区分支給限度額基準額に対する利用割合が大変高いことが指摘されていました。

 

10月19日に会計検査院が厚生労働省に「有料老人ホーム等の入居者が利用する訪問介護に係る介護給付費の算定について」に意見表示しました。

一言でいうと、「公平性が確保されていないので見直しなさい」という意見です。

次のような内容です。

 

・ 改善を必要とする事態

介護給付費の算定に当たり、同一建物減算の適用の有無により介護保険として利用できる訪問介護の回数に差違が生ずるなどしている事態は、限度額の設定方法及び同一建物減算の趣旨からみて、保険給付の公平性が確保されていないもので適切ではなく、改善の要があると認められる。

・ 発生原因

このような事態が生じているのは、貴省において、介護給付費の算定に当たり、同一建物減算の適用の有無により介護保険として利用できる訪問介護の回数に差違が生ずるなどして、保険給付の公平性が確保されないこととならないようにするための検討が十分でないことなどによると認められる。

 

・ 表示する意見

(省略)同一建物減算の適用の有無により介護保険として利用できる訪問介護の回数に差違が生ずるなどすることのないようにするための措置を講ずるよう意見を表示する

 

こうした議論や意見を踏まえて、「有料老人ホーム等の併設事業所に対する集合住宅減算の強化」がなされるということですが、その見直しの内容が検討されています。

 

「認知症横断プロジェクト談話会」の記事を紹介する予定でしたが、後日に紹介します。

次回12/7からも、介護報酬改定の動向を紹介します。

 

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