水曜日は、「同族会社とその役員との取引」について税務上の問題点となるケースを取りあげて紹介しています。9回目です。

 

前回(11/29)に続き、今回「社長が会社からお金を借りる場合」に税金の問題はどうなるかを考えます。

適正な利息で貸すということが重要だと、前回に紹介しましたが、無利息または低い利率で会社が社長に貸し付けた場合には、問題が発生しますので注意ください。

 

今回は、「社長が会社からお金を借りる場合(無利息または低い利率の場合)」を紹介します。(貸し手:会社、借り手:社長)

 

① 低額の利息しか受け取っていない会社側の税金を考えますと

会社は通常受け取るべき利息を受け取っていないことになります。通常の利息と実際の利息との差額が、役員に対する給与とみなされて課税されます(役員報酬の源泉徴収の問題が発生します)。

 

一方では、会社側の損益計算では、差額は受取利息として益金の額に算入されるとともに、それに相当する金額は過大役員報酬とならない限り、役員報酬として損金の額に算入されます。

次のように考えます。

役員報酬(損金算入) 〇〇円 /  受取利息(益金算入) 〇〇円

 

② 社長の税金(所得税等)を考えますと

会社から金銭を借りている社長が、税務上の適正な利息を支払っていない場合には、適正利息から実際に負担している利息の差額分が、社長の役員報酬になりますので、社長の給与所得の収入金額はその差額分を加算して、所得税や住民税を計算します。

つまり、適正な利息に満たない部分が役員報酬になり、通常の役員報酬と合算されて、所得税や住民税を計算されることになります。

 

※ <参考>法人税基本通達9-2-9 債務の免除による利益その他の経済的な利益

《役員給与》及び《過大な使用人給与の損金不算入》に規定する「債務の免除による利益その他の経済的な利益」とは、次に掲げるもののように、法人がこれらの行為をしたことにより実質的にその役員等(省略)に対して給与を支給したと同様の経済的効果をもたらすもの(省略)をいう。

(7) 役員等に対して金銭を無償又は通常の利率よりも低い利率で貸し付けた場合における通常取得すべき利率により計算した利息の額と実際徴収した利息との差額に相当する金額

 

11/1(水)の記事「会社が、社長に対して低額な家賃で住宅を貸す場合に、役員報酬の問題が発生します」と同様の問題が発生することになります。

 

次回12/13(水)は、「会社が役員から土地を買う」を紹介します。「時価」の算定と売却益の計算がポイントになります。

 

会社と役員の取引には、思わぬところで税務上のリスクが発生することがあります。ご注意ください!

ご相談については、電話やメールでお気軽にご相談ください(初回無料です)。

 

水曜日は、「同族会社とその役員の手引き」を紹介しています。

・「役員貸付金~社長が会社からお金を借りる場合は?」はこちら(11/29)

・「役員借入金~会社が社長から無利息でお金を借りる場合」はこちら(11/22)

・「役員借入金~会社が社長から高金利でお金を借りる場合」はこちら(11/15)

・「会社が社長からお金を借りる場合に利息と税金はどうなりますか?」はこちら(11/8)

 

 

ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。

 

月曜日は、開業予定者や創業者を対象に「開業の基礎知識~初めて開業する方に、税理士からお伝えします」

・「商売の看板「屋号(社名)」をつける」はこちら(12/4)

・「事業主としてリスクに備える~小規模企業共済がおすすめです」はこちら(11/27)

 

火・木曜日は、「介護事業の基礎知識バージョンアップ゚編」として記事を紹介しています。

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金曜日は、「いざそのときにあわてないための相続税や贈与税に関する知識」

・「遺産分割の話し合いがまとまらないと相続税に不利益が出てきます」はこちら(12/1)

・「自筆証書遺言・公正証書遺言と成年後見制度の活用」はこちら(11/24)

 

土曜日は、「会計の勉強を始めた起業者の方に“会計超理解ハンドブック”」

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・「父親名義の住宅に息子負担で増築等リフォームした場合、父親の方の譲渡所得はどうなりますか?」はこちら(12/3)