水曜日は、「同族会社とその役員との取引」について税務上の問題点となるケースを取りあげて紹介しています。16回目です。

 

同族会社と役員間には、①金銭の貸借、②建物の貸借、③土地の売買で、税金の問題が生じることをご紹介してきました。

今回から、「会社が、社長から土地を借りる」ケースを考えていきます。このケースでは「借地権」にかかる権利金をベースにした税金の問題が発生します。

「借地権」は、金銭や建物などと違って、目に見えるものではありませんので、丁寧に考える必要が出てきます。ご注意ください。

 

今回は、会社が権利金を支払わないケースを検討します。

事例で考えます。

会社は、社長の所有する土地を借り受けて、本社ビルを建設します。ビルの敷地として借りますが、土地を借りるための権利金を社長には支払いません。近辺ではこういう場合には権利金の授受が行われています。何か税金の問題で不都合が生じますか?

ざっくりと。結論は、土地を借りた会社には借地権を無料でもらったものとして法人税が課税されます。

 

土地を借りた会社の税金は

本来、有償で土地を借りる必要がある場合に、土地を借りる権利を無償で取得したということになります。ようするに、借地権をただでもらったということになります。

支払うべき権利金に相当する金額が、法人税法上、収益(益金)に算入されることになります。

また、会社は、対価を支払わず「借地権」という資産を手に入れることになります。その価額に相当する分が、株価の上昇になってあらわれます。社長から株主に対して、経済的な利益の供与として贈与税を考える必要も出てきます。ご注意ください。

 

<参考>会社での仕訳は次のように考えます

借 地 権  〇〇万円 /  受 贈 益 〇〇万円

             益金算入 

 

土地を貸した社長の税金は

権利金を受け取っていませんので、所得税で課税はありません。

 

ただし、次回以降で紹介しますが、権利金の支払いがなかった場合でも、次のようなケースは権利金の支払いをしなくてよいことになっています。

① 相当の地代を支払う場合

② 土地の無償返還に関する届出書を提出する場合

 

会社と社長の取引には、思わぬところで税務上のリスクが発生します。ご注意をお願いします。

気になるケースがある場合は、お気軽にご相談ください(初回無料です)。

 

次回1/31(水)は「会社が社長から土地を借りる。権利金を支払うケース」を取りあげます。会社と社長の税金を考えます。

みなさん、今日も冬の1日をお元気にお過ごしください!

 

水曜日は、「同族会社とその役員の手引き」を紹介しています。あてはまる事例を参考にしてくださいね。

同族関係者の土地売買の税務ルール

・「会社が社長から土地を買う。その時の時価をどう算定するか」はこちら(12/13)

・「会社が社長から土地を買う。社長と会社の税金はどうなりますか?」はこちら(12/20)

・「会社が、社長から低額で土地を買うと税金の問題が発生します」はこちら(12/27)

・「会社が、社長から高額で土地を買うと…」はこちら(1/3)

・「社長が、会社から低い価額で土地を買うと…」はこちら(1/10)

・「社長が、会社から時価より高い価額で土地を買うと…」とはこちら(1/17)

同族関係者間の建物貸借の税務ルール

・「会社が社長から建物を借りる」はこちら(10/11)

・「会社が社長から建物を借りる、社長の税金」はこちら(10/18)

・「社長が会社から建物を借りる、家賃のルール」はこちら(10/25)

・「社長が会社から建物を借りる、低額家賃の場合」はこちら(11/1)

 同族関係者間の金銭貸借の税務ルール

・「会社が社長からお金を借りる」はこちら(11/8)

・「会社が社長からお金を借りる、高金利の場合」はこちら(11/15)

・「会社が社長からお金を借りる、無利息の場合」はこちら(11/22)

・「社長が会社からお金を借りる」はこちら(11/29)

・「社長が会社からお金を借りる、無利息の場合」はこちら(12/6)

 

ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。

・月曜日は「開業の基礎知識~初めて開業する方に税理士からお伝えします」

・火・木曜日は「介護事業の基礎知識バージョンアップ゚編」

・水曜日は「同族会社とその役員の手引き」

・金曜日は「相続税をわかりやすく!」

・土曜日は「会計の勉強を始めた起業者の方に“会計超理解ハンドブック”」

・日曜日は「住宅取得等資金の贈与の非課税」の誤りやすい事例

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ブログ記事の内容は、投稿時点での税法その他の法令に基づき記載しています。また、読者が理解しやすいように厳密ではない解説をしている部分があります。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。