井上寧(やすし)税理士事務所井上寧(やすし)税理士事務所

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2018.02.07.Wed | 税金(法人)

「会社が、社長から土地を借りる」と税金の問題が発生します~土地の貸借編③「権利金に代えて相当の地代を支払うケース」

水曜日は、「同族会社とその役員との取引」について税務上の問題点となるケースを取りあげて紹介しています。18回目です。

 

「会社が、社長から土地を借りる」ケースを検討しています。

すでに、ケース①「会社が権利金を支払わないケース」、ケース②「会社が権利金を支払うケース」を紹介しました。

 

今回は

「会社が、権利金に代えて相当の地代を支払うケース」を考えます。

 

権利金を支払う慣行がある地域で、権利金を支払わないと税金の問題が発生します。しかし、その権利金に代えて「相当の地代」を支払うことにより権利金の問題を解消することができます。

 

相当の地代とは

土地を借りる場合は、地代を支払うことになります。

税法は、支払う地代と権利金に逆の相関関係があると考えます。つまり、支払われる地代が高ければ高いほど、支払う権利金は低くなり、逆に支払われる地代が低いほど、支払う権利金は高くなると考えます。

 

支払地代 ↑ = 最初に支払う権利金 ↓

または

支払地代 ↓= 最初に支払う権利金 ↑

 

この相関関係をふまえて、権利金の支払に代えて、高い地代(相当の地代)を支払えば問題は発生しません。

 

「相当の地代」とはいくらなのか?

その土地の更地価額のおおむね6%程度の金額です。

つまり、土地の時価 × 6% = 相当の地代(1年間の地代)

 

この土地の時価は、次のいずれかから選択することができます。

① 通常の取引価額

② 近傍類地の公示価格等から合理的に算定した価格

③ 相続税評価額

④ 相続税評価額の過去3年間の平均額

 

土地を貸した社長の税金

社長には受取地代が発生しますが、これは不動産所得です。役員報酬である給与所得と合わせて総合課税になります

 

一方、会社の支払う地代は、費用(損金)になります。

下図を参照ください。

 

会社と社長の取引には、思わぬところで税務上のリスクが発生します。

ご注意をお願いします。

気になるケースがある場合は、お気軽にご相談ください(初回無料です)。

 

次回2/14(水)は「相当の地代に、満たない地代を支払うケース」を取りあげます。引き続き会社と社長の税金を考えていきます。

 

では、みなさん、今日も元気に冬の1日をお過ごしください!

 

水曜日は、「同族会社とその役員の手引き」を紹介しています。あてはまる事例を参考にしてくださいね。

土地貸借の税務ルール

・「会社が、社長から土地を借りる」と税金の問題が発生します」はこちら(1/24)

・「会社が権利金を支払うケース」はこちら(1/31)

 土地売買の税務ルール

・「会社が社長から土地を買う。その時の時価をどう算定するか」はこちら(12/13)

・「会社が社長から土地を買う。社長と会社の税金はどうなりますか?」はこちら(12/20)

・「会社が、社長から低額で土地を買うと税金の問題が発生します」はこちら(12/27)

・「会社が、社長から高額で土地を買うと…」はこちら(1/3)

・「社長が、会社から低い価額で土地を買うと…」はこちら(1/10)

・「社長が、会社から時価より高い価額で土地を買うと…」とはこちら(1/17)

建物貸借の税務ルール

・「会社が社長から建物を借りる」はこちら(10/11)

・「会社が社長から建物を借りる、社長の税金」はこちら(10/18)

・「社長が会社から建物を借りる、家賃のルール」はこちら(10/25)

・「社長が会社から建物を借りる、低額家賃の場合」はこちら(11/1)

 金銭貸借の税務ルール

・「会社が社長からお金を借りる」はこちら(11/8)

・「会社が社長からお金を借りる、高金利の場合」はこちら(11/15)

・「会社が社長からお金を借りる、無利息の場合」はこちら(11/22)

・「社長が会社からお金を借りる」はこちら(11/29)

・「社長が会社からお金を借りる、無利息の場合」はこちら(12/6)

ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。

・月曜日は「開業の基礎知識~初めて開業する方に税理士からお伝えします」

・火・木曜日は「介護事業の基礎知識バージョンアップ゚編」

・水曜日は「同族会社とその役員の手引き」

・金曜日は「相続税をわかりやすく!」

・土曜日は「会計の勉強を始めた起業者の方に“会計超理解ハンドブック”」

・日曜日は「住宅取得等資金の贈与の非課税」の誤りやすい事例

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ブログ記事の内容は、投稿時点での税法その他の法令に基づき記載しています。また、読者が理解しやすいように厳密ではない解説をしている部分があります。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。

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