水曜日は、「同族会社とその役員との取引」について税務上の問題点となるケースを取りあげて紹介しています。19回目です。

「会社が、社長から土地を借りる」ケースを検討しています。

今回は、4回目

「会社が、権利金に代えて相当の地代に満たない地代を支払うケース」

を考えます。

 

権利金を支払う慣行がある地域で、権利金を支払わないと税金の問題が発生しますが、前回のケースは、その権利金に代えて「相当の地代」を支払うことにより権利金の問題を解消することができることを紹介しました。(前回はこちら

 

今回は、社長から土地を借りた会社が、権利金を支払わず、相当の地代よりも安い地代を支払った場合はどうなるでしょうか?という場合です。

 

ざっくりの結論です

社長から無償で借地権をもらったとされます。次の算式で計算した金額が、借地権とみなされ、益金の金額に算入されます。

 

更地価額 × (1 – 実際の地代/相当の地代) = 無償でもらった借地権(受贈益)

 

算式は「実際の地代(実際の支払っている地代)」が「本来支払うべき地代(相当の地代)」に満たない割合に相当する無償の借地権の金額を表しています。

第1回目のケースで、借地権を支払わないケースでは、通常支払うべき権利金すべてが借地権として認定され、益金の額に算入されました。

今回は、地代をまったく支払っていないのではなく、相当の地代に満たないので、その満たない部分に相当する部分の借地権を計算して、益金に算入しようとするものです。

 

会社の仕訳としては

借 地 権 〇〇〇 / 受贈益 〇〇〇

(資産計上)    (益金算入)

 

また、この算式の更地価額というのは、その土地の時価(いわゆる通常の取引価額)です。

 

社長側の考え方    

土地の譲渡にはあたらず、会社から受け取る地代は、社長の所得税の計算上、不動産所得の収入金額となります。

役員報酬の給与所得とあわせて総合課税となり、所得税と住民税を計算します。

 

 

今回のケースを図にしますと、次のような考え方になります。

 

 

会社と社長の取引には、思わぬところで税務上のリスクが発生します。

ご注意をお願いします。

気になるケースがある場合は、お気軽にご相談ください(初回無料です)。

 

次回2/28(水)は「土地の無償返還に関する届出書を提出する」を取りあげます。引き続き会社と社長の税金を考えていきます。

 

みなさん!今日も元気に冬の1日をお過ごしください。

 

水曜日は、「同族会社とその役員の手引き」を紹介しています。あてはまる事例を参考にしてくださいね。

土地貸借の税務ルール

・「会社が、社長から土地を借りる」と税金の問題が発生します」はこちら(1/24)

・「会社が権利金を支払うケース」はこちら(1/31)

・「会社が相当の地代を支払うケース」はこちら(2/7)

 土地売買の税務ルール

・「会社が社長から土地を買う。その時の時価をどう算定するか」はこちら(12/13)

・「会社が社長から土地を買う。社長と会社の税金はどうなりますか?」はこちら(12/20)

・「会社が、社長から低額で土地を買うと税金の問題が発生します」はこちら(12/27)

・「会社が、社長から高額で土地を買うと…」はこちら(1/3)

・「社長が、会社から低い価額で土地を買うと…」はこちら(1/10)

・「社長が、会社から時価より高い価額で土地を買うと…」とはこちら(1/17)

建物貸借の税務ルール

・「会社が社長から建物を借りる」はこちら(10/11)

・「会社が社長から建物を借りる、社長の税金」はこちら(10/18)

・「社長が会社から建物を借りる、家賃のルール」はこちら(10/25)

・「社長が会社から建物を借りる、低額家賃の場合」はこちら(11/1)

 金銭貸借の税務ルール

・「会社が社長からお金を借りる」はこちら(11/8)

・「会社が社長からお金を借りる、高金利の場合」はこちら(11/15)

・「会社が社長からお金を借りる、無利息の場合」はこちら(11/22)

・「社長が会社からお金を借りる」はこちら(11/29)

・「社長が会社からお金を借りる、無利息の場合」はこちら(12/6)

 

ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。

・月曜日は「開業の基礎知識~初めて開業する方に税理士からお伝えします」

・火・木曜日は「介護事業の基礎知識バージョンアップ゚編」

・水曜日は「同族会社とその役員の手引き」

・金曜日は「相続税をわかりやすく!」

・土曜日は「会計の勉強を始めた起業者の方に“会計超理解ハンドブック”」

・日曜日は「住宅取得等資金の贈与の非課税」の誤りやすい事例

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ブログ記事の内容は、投稿時点での税法その他の法令に基づき記載しています。また、読者が理解しやすいように厳密ではない解説をしている部分があります。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。