「国内資産」の「国外販売」および「輸入」の消費税の内外判定について~ インボイス制度 消費税[729]

消費税の記事を掲載します。
資産の譲渡が国内において行われたかどうかの判定は、その譲渡が行われた時においてその資産が所在していた場所が国内にあるかどうかにより行います
を紹介します。
たとえば
Q:
① A社はハワイで土産品販売店を営む現地法人です。B社(内国法人)との間で国内配達業務委託契約を結んでいます。
② A社は、日本人にハワイでお土産を販売し、併せて日本国内の指定場所までの配送を引き受けます。この配送に当たっては日本の倉庫にあらかじめ同一商品を輸出し、B社の倉庫に保管しておき、ハワイで販売した都度B社に連絡し、B社を通じて購入者の指定先に届けられる方法がとっています。
③ この販売は、日本にある商品を販売したこととなり、国内取引に該当するのでしょうか?
④ 販売の手続きは次のような方法で行っています。
ⅰ A社は、購入者に代金受領と引換えに預かり証を交付し、B社が日本で商品を配達した時に引き換えます。
ⅱ A社は、配達依頼を受けた時でも、購入者に対して別送品申告書を税関に提出する必要がある旨の指導は行っていません。
ⅲ 日本への輸入に当ってはA社が輸入申告名義人となって、一般の輸入手続により消費税を税関に支払っています。
ⅳ あらかじめ商品を保管しているB社の倉庫は日本国内の倉庫(保税倉庫ではない)です。
A 国内取引に該当して課税取引となります
① 資産の譲渡が国内において行われたかどうかの判定は、その譲渡が行われた時においてその資産が所在していた場所が国内にあるかどうかにより行うこととされています。
また、「資産の譲渡」とは、「資産につきその同一性を保持しつつ、他人に移転させること」とされています。
② この事例の場合、土産品の売買契約はハワイ(国外)にて締結され、買主による譲渡対価の支払はなされていますが、目的物の引渡しは同地ではされず、既に日本国内に輸入されている同種同等の商品が引き渡されているものです。
③ このように同種の商品をあらかじめ日本国内に輸出し、国内配達業務契約を締結した内国法人に当該商品の管理を委託した上、ハワイにおける売買契約の成立の都度商品を買主に引き渡している取引経過からすると、ハワイにおける売買契約は見本品の提示による購入の申込みを受けたに過ぎないと解すべきであり、売買の目的物は、購入者に対する明示はしていないまでも、既に日本国内に輸入されている同種の商品であると認められます。
④ したがって、その商品の譲渡は国内で行われていることから、この取引は課税取引となります。
<参考>
消費税法 第4条
(課税の対象)
「3 資産の譲渡等が国内において行われたかどうかの判定は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める場所が国内にあるかどうかにより行うものとする。(省略)
一 資産の譲渡又は貸付けである場合当該譲渡又は貸付けが行われる時において当該資産が所在していた場所
(出所:国税庁 消費税 質疑応答事例)
「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」
(ピーター F.ドラッカー)
立秋の1日、朗らかにお過ごしくださいね。
クライアントに提案したいのは節税ではなく、より良い人生です。
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