新しい公益信託制度の「事務所の設置」について? ~ 公益信託[90]

公益信託の記事を掲載します。
公益信託そのものが独立した「事務所」を設置することは法律上必須ではありませんが、受託者の住所または主たる事務所が重要な拠点として機能します
を紹介します。
1 公益信託自体に事務所設置の義務はありませんが?
公益信託は、公益法人(財団法人など)のような「団体」ではなく、特定の目的のために財産を管理・運用する「財産管理の仕組み」です。
そのため、公益法人のように法人としての機関設置(理事会や評議員会など)や、独自の事務所を構えることは法律上必須とされていません。
2 受託者の所在地が拠点となります
実務上の拠点や連絡先は、公益信託事務を担う受託者の住所(法人の場合は主たる事務所の所在地)となります。
認可申請時の記載: 認可申請書には、受託者および信託管理人の氏名・住所(法人の場合は名称、代表者名、主たる事務所の所在地)を記載する必要があります。
信託契約や遺言(信託行為)においても、受託者の氏名および住所を定めることが義務付けられています。
3 書類の備置きと閲覧の拠点が必要です
受託者は、信託行為の内容を証する書面や事業計画書、財産目録などの「財産目録等」を、受託者の住所(法人の場合は主たる事務所)に備え置かなければなりません。
これらの書類は、何人からも閲覧の請求をされる対象となるため、実質的な事務拠点としての機能が求められます。
4 公益事務を行う「区域」の重要性
事務所の物理的な場所とは別に、公益事務(事業)をどの区域で行うかが重要になります。
行政庁の決定
公益事務を行う区域が「2以上の都道府県」にわたる場合は内閣府、それ以外(単一の都道府県内)の場合はその都道府県が監督官庁となります。
行政庁の管轄との関係
公益法人制度では事務所の場所が行政庁(内閣府か都道府県か)の判断基準の一つになります。
公益信託においては受託者の事務所の所在地は行政庁の区分基準にはなりません。行政庁の管轄は、あくまで「公益事務を行う区域(地理的範囲)」によって決定されます。
公益信託専用の事務所を新設する必要はありません。
受託者が公益信託の事務を処理し、国民からの閲覧請求に応じることができる場所(住所や既存の事務所)は必ず必要となります。
「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」
(ピーター・F.ドラッカー)
啓蟄の1日、朗らかにお過ごしくださいね。
[編集後記]
消費税の記事はお休みしました。
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