井上寧(やすし)税理士事務所井上寧(やすし)税理士事務所

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2025.01.28.Tue | 税金(法人)

「はぐくみ企業年金」について ~ 法人節税策の基礎知識[110]   




企業年金の記事を掲載します。




はぐくみ基金は2018年に厚生労働大臣の認可を受けて設立された企業年金制度で正式には「福祉はぐくみ企業年金基金」といいます




を紹介します。




はぐくみ基金は確定給付企業年金です




確定給付企業年金は、役員や従業員が受け取る給付額が確定しており、会社が運用リスクを負担します。

運用実績が悪く給付額が不足する場合は会社が負担する制度です。




企業年金制度の比較は次のとおりです










主な特徴は次のとおりです(一般的な確定給付企業年金制度にはない特徴があります)




① 将来のための資産形成として積み立てるかどうかは従業員ごとに任意選択が可能です。

② 掛金は1,000円単位で選べます。

③ 掛金部分には税金・社会保険料がかかりません。

④ 積立金は老後の年金受取のほか60歳を待たず、退職時に受け取ることが可能です。

⑤ 休職時、育児・介護休業時にも受け取れます。









スキームとして次の点に特徴があります














給与の一部を「選択給」とすることで、給与にかかる社会保険料・税金の負担が減少する仕組みをつくります。




一方、注意点があります









企業のメリットは次のとおりです




「前払い退職金制度」と併用することで、企業の実質的な負担を抑えながら退職金制度を導入できます。


福利厚生制度の充実を図ることができるとともに、社会保険料の軽減: 掛金部分には社会保険料がかからないため、企業側にも軽減効果があります。





<参考>




Q1




はぐくみ企業年金はiDeCoや生命保険、介護保険等と同じ所得控除が適用されますか?




A2




「はぐくみ企業年金の掛金には、iDeCo(個人型確定拠出年金)や生命保険・介護保険で適用される所得控除(小規模企業共済等掛金控除や生命保険料控除)は適用されません。

給与体系を変更し、前払い退職金制度を導入した事業所(お勤め先)で、従業員がその前払い退職金を「退職金として受け取る(前払いしない)」ことを選択すると、その部分は事業主が負担する掛金となります。

このため、個人が支払う掛金に対する所得控除とは扱いが異なります。

給与体系の変更により給与が減額された時点で、加入者の給与所得も減少し、これに伴い所得税も減少しています。給与支給時の所得税がすでに減少しているため、年末調整で還付される所得税はありません。」




Q2



掛金の経理処理について、勘定科目や税区分はどのように取り扱えばよいですか?




A2




勘定項目については、決まりはありませんが、標準掛金・事務費掛金共に「福利厚生費」と処理します。事務費掛金は、振込手数料のように何かに付随して支払う費用ではなく、「はぐくみ企業年金という福利厚生制度そのものを利用するための費用」です。


税区分は、標準掛金、事務費掛金共に消費税非課税です。









「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」

(ピーター F.ドラッカー)

大寒の1日、朗らかにお過ごしくださいね。










[編集後記]




トップ画像は、料理初心者1年生の私がつくった「さばの味噌煮」「ごぼうのサラダ」「はんぺんのすまし汁」です。




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