井上寧(やすし)税理士事務所井上寧(やすし)税理士事務所

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2020.04.03.Fri | 税金(相続・贈与・譲渡)

父親が息子に時価より低額で、土地を譲渡した場合の所得税法・相続税法の考え方 ~ 贈与や相続・譲渡など資産税①

 

第三者に対して、わざわざ時価より低い価額で土地を譲渡することはありません。しかし、家族の間で不動産を時価より低額で売却することは、なんらかの理由により、あり得るかもしれません

 

こうした売買については、税務では次のような取扱いすることになります。

 

たとえば

父親が所有する時価3,000万円(取得費5,000万円)の土地を、息子に1,000万円で売却した場合

 

父親は

譲渡価額を1,000万円として計算します。

息子は

時価3,000万円-実際の譲渡価額1,000万円=2,000万円について贈与税が課税されます。

 

土地は時価の1/2未満の価額で譲渡しています

3,000万円×1/2 > 1,000万円 の状態での譲渡です。

 

したがって、父親の譲渡所得は次のような取扱いになります

実際の譲渡価額 1,000万円 - 取得費5,000万円 = 損失▲4,000万円 → ゼロ

 

つまり、譲渡価額が取得費に満たないときは、その不足額は譲渡所得の計算上なかったものとみなされます。

 

こうしたことが起こらないよう

時価以外の売買については、事前に、税務の取扱いを検討することをおすすめします。

 

<参考>

所得税法

第36条  収入金額

「その年分の各種所得の金額の計算上収入金額とすべき金額又は総収入金額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、その年において収入すべき金額(金銭以外の物又は権利その他経済的な利益をもつて収入する場合には、その金銭以外の物又は権利その他経済的な利益の価額)とする。」

 

相続税法

第7条  贈与又は遺贈により取得したものとみなす場合

「著しく低い価額の対価で財産の譲渡を受けた場合においては、当該財産の譲渡があつた時において、当該財産の譲渡を受けた者が、当該対価と当該譲渡があつた時における当該財産の時価との差額に相当する金額を当該財産を譲渡した者から贈与により取得したものとみなす。」

 

個別通達平成元.3.29直評5

負担付贈与又は対価を伴う取引により取得した土地等及び家屋等に係る評価並びに相続税法第7条及び第9条の規定の適用について

「土地及び土地の上に存する権利並びに家屋及びその附属設備又は構築物のうち、負担付贈与又は個人間の対価を伴う取引により取得したものの価額は、当該取得時における通常の取引価額に相当する金額によって評価する。」

 

所得税法

第59条  贈与等の場合の譲渡所得等の特例

次に掲げる事由により居住者の有する山林(事業所得の基因となるものを除く。)又は譲渡所得の基因となる資産の移転があつた場合には、その者の山林所得の金額、譲渡所得の金額又は雑所得の金額の計算については、その事由が生じた時に、その時における価額に相当する金額により、これらの資産の譲渡があつたものとみなす。

 

一 贈与(法人に対するものに限る。)又は相続(限定承認に係るものに限る。)若しくは遺贈(法人に対するもの及び個人に対する包括遺贈のうち限定承認に係るものに限る。)

二 著しく低い価額の対価として政令で定める額による譲渡(法人に対するものに限る。)

 

2 居住者が前項に規定する資産を個人に対し同項第2号に規定する対価の額により譲渡した場合において、当該対価の額が当該資産の譲渡に係る山林所得の金額、譲渡所得の金額又は雑所得の金額の計算上控除する必要経費又は取得費及び譲渡に要した費用の額の合計額に満たないときは、その不足額は、その山林所得の金額、譲渡所得の金額又は雑所得の金額の計算上、なかつたものとみなす

 

所得税法施行令

第169条  時価による譲渡とみなす低額譲渡の範囲

法第59条第1項第2号(贈与等の場合の譲渡所得等の特例)に規定する政令で定める額は、同項に規定する山林又は譲渡所得の基因となる資産の譲渡の時における価額の2分の1に満たない金額とする。

 

 

変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する(ピーター F.ドラッカー)

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春の1日を元気にお過ごしください。

 

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