井上寧(やすし)税理士事務所井上寧(やすし)税理士事務所

一からはじめる会計のお手伝い。スタートアップの志を支える税理士。
Blog丁寧解説お役立ちブログ。
2018.04.09.Mon | 創業

「創業時の資金調達~自己資金と金融機関からの借入の考え方」~開業前に知っておきたい創業融資の知識①

開業のための基礎知識を、次の順序で説明しています。

1 個人事業を始める場合の各種届出と確定申告

 事業の具体的な準備~創業融資

3 事業計画の作成

 

事業の具体的な準備を検討していきます。たとえば、仕事の拠点は?店舗や事務所をどうするか?仕入れ先は?などなど、様々な準備を検討することになります。

こうした準備の中から、「創業時の資金調達」にしぼってお話を進めていきます。

 

今回から開業前に知っておきたい創業融資の知識を次のとおり紹介していきます。

 創業時の資金調達~自己資金と金融機関からの借入の考え方

② はじめに公的融資を考える

③ 日本政策金融公庫の創業融資

④ 新規開業資金

⑤ 女性・若者・シニア起業家支援資金

⑥ 中小企業経営力強化資金

⑦ 新創業融資制度

 

今日は

「創業時の資金調達~自己資金と金融機関からの借入の考え方」

です。

 

創業の際の創業資金の考え方は、次の三つが大切です。

① 資金繰りには余裕を持たせます。

創業時には、必ず不意の支出があります。資金繰りが逼迫しやすいものです。こうした不足の事態に備えるため、資金繰り表を作成します。できれば、2~4月先までの資金繰りを作成します。

② 自己資金はできるだけ用意します。

創業に必要な資金のうち借入に頼る部分が多すぎると、その返済負担が大きくなり、資金繰りに悪影響を及ぼします。できるだけ自己資金を用意します。

③ 創業資金はできるだけ節約します。

創業時にお金をかけすぎると、その後資金繰りに苦労します。家賃の安い立地を探す、中古品で済ませるなどの節約努力をして、創業資金はできるだけ使わないようにします。

 

自己資金の目安

自己資金は平成320万円で創業、金融機関からの借入比率は約6割

新たな事業を始める場合、自己資金はどれくらいあればよいか?日本政策金融公庫総合研究所のデータがあります。

創業資金の調達先は、次のような割合です。

□ 金融機関65%(931万円)

□ 自己資金22%(320万円)

□ 親族6%(84万円)

□ その他7%(98万円)

 

こうして見ると創業資金は平均1,433万円です。

ここには記載していませんが、別の資料では不動産を購入しない場合の創業費用は平均で978万円です。また、500万円未満で創業している方の割合は35.7%で、少額で創業している方も少なくありません。

 

自己資金も大切ですが、創業時には金融機関からの融資を積極的に検討しましょう。

なぜならば

① 創業融資を受けられるのは1回きりです。創業後、事業がうまくいかない時に融資を申し込んでも、金融機関から融資を受けることができるとは限りません。

② 創業融資は、事業を始める前に借入するものです。実際の事業の結果が審査されて、金融機関から融資を受けるわけではありません。

 

「お金の動きを通して会社の状態を把握し、経営をコントロールする」には、経理をしっかりと処理して、会計数字をもとに意思決定することが大切です。

 

開業の手続きや税金で気になる点があれば、お気軽にご相談ください。

 

Every day is a new day!

みなさん、今日も春の1日を元気にお過ごしください。

 

月曜日は「開業のための基礎知識」~初めて開業する方に、開業の方法や必要書類の準備を税理士からお伝えしています。

事業開始前に知っておきたい経理と消費税の基礎知識

・①「普通預金通帳で資金管理をする!」はこちら(2/19)

・②「経理の必要性!経理は将来性を計る指標です」はこちら(2/26)

・③「記帳~会計ソフト利用の検討をおすすめします!」はこちら(3/5)

・④「記帳から確定申告、ざっくりとイメージしてください」はこちら(3/12)

・⑤「確定申告書を作成、場合によっては税理士への依頼を考える」はこちら(3/19)

・⑥「消費税の計算方法は2つ、選択は慎重に」はこちら(3/26)

・⑦「帳簿や証憑類は整理して7年間保存する」はこちら(4/2)

 

事業を始める場合の届出と手続き

・「開業の方法や必要書類の準備を税理士からお伝えします」はこちら(10/30)

・「社会保険の変更の手続きが必要になります」はこちら(11/6)

・「給与所得の源泉徴収票の保管を忘れずに」はこちら(11/13)

・「退職後の住民税の支払いを忘れずに」はこちら(11/20)

・「事業主としてリスクに備える“小規模企業共済”がおすすめです」はこちら(11/27)

・「商売の看板『屋号(社名)』をつける」はこちら(12/4)

・「事業の各種届出から確定申告まで」はこちら(12/11)

・「青色申告はどうすればよい?届出は税務署からスタートします」はこちら(12/18)

 ・「青色事業専従者給与に関する届出書を忘れずに提出しましょう」はこちら(12/25)

 ・「給与支払事務所等の開設届出書を忘れずに提出しましょう」はこちら(01/01)

・「『減価償却資産の償却方法の届出書』を提出できます」はこちら(1/8)

・「消費税!個人事業者は、事業開始年は免税事業者になります」はこちら(1/15)

・「事業の開始年に消費税の還付を受けることができます」はこちら(1/22)

・「労働基準監督署への届出~労働基準監督署で労災手続きをします」はこちら(1/29)

・「ハローワークへの届出」はこちら(2/5)

・「日本年金機構への届出~個人事業でも基準を満たせば加入します」はこちら(2/12)

 

ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。

・月曜日は「開業の基礎知識~初めて開業する方に、税理士からお伝えします」

・火・木曜日は「介護事業の基礎知識バージョンアップ゚編」

・水曜日は「事業承継・税理士の視点」

・金曜日は「相続税ついてわかりやすく!」

・土曜日は「経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方」

・日曜日は「贈与税で誤りやすい事例」

 

投稿タグ
カテゴリーで絞る
back記事一覧へ戻る

まずはお気軽にお問い合わせください

06-6318-7726

営業時間:9:00~17:00(月曜日~金曜日)

メールでのお問い合わせ