ルールにそって電子データを保存していない場合の「青色申告の承認の取消し」とは ~ 電子帳簿保存法改正[63]
電子帳簿保存法の電子取引の記事です。
今回は
電子データを保存していない場合、“悪質”だと「青色申告の承認の取消し」対象になる可能性があります
を紹介します。
電子帳簿保存法に違反した場合とは
<参考>
→ 電子取引したデータを電子データのまま保存することがルールです。しかし電子帳簿保存法に違反した場合「罰則」とは
法人が青色申告をするにあたっては青色申告の帳簿書類のルールにしたがって
①帳簿、②決算書、③書類などの帳簿書類を整理するとともに、7年間保存する必要があります。
なお、③の保存すべき「書類」とは、次のような書類をいいます。
「取引に関して、相手方から受け取った注文書、契約書、送り状、領収書、見積書その他これらに準ずる書類及び自己の作成したこれらの書類でその写しのあるものはその写し」
<参考>
法人税法第126条 青色申告法人の帳簿書類
「第121条第1項(青色申告)の承認を受けている内国法人は、財務省令で定めるところにより、帳簿書類を備え付けてこれにその取引を記録し、かつ、当該帳簿書類を保存しなければならない。」
帳簿書類を整理・保存するにあたって、電子帳簿保存法のルールに従っていない場合
「青色申告の承認の取消し」の考え方は次のとおりです。
「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律の要件に従っていない場合における青色申告の承認の取消しに当たっては、電磁的記録又は電子計算機出力マイクロフィルムの備付け又は保存の程度、今後の改善可能性等を総合勘案の上、真に青色申告書を提出するにふさわしいと認められるかどうかを検討し、法第127条第1項(青色申告の承認の取消し)の規定の適用を判断する。」
<参考>
法人税法第127条 青色申告の承認の取消し
「第121条第1項の承認を受けた内国法人につき次の各号のいずれかに該当する事実がある場合には、納税地の所轄税務署長は、当該各号に定める事業年度まで遡つて、その承認を取り消すことができる。この場合において、その取消しがあつたときは、当該事業年度開始の日以後その内国法人が提出したその承認に係る青色申告書は、青色申告書以外の申告書とみなす。
一 その事業年度に係る帳簿書類の備付け、記録又は保存が前条第1項に規定する財務省令で定めるところに従つて行われていないこと 当該事業年度
二 その事業年度に係る帳簿書類について前条第2項の規定による税務署長の指示に従わなかつたこと 当該事業年度
三 その事業年度に係る帳簿書類に取引の全部又は一部を隠蔽し又は仮装して記載し又は記録し、その他その記載又は記録をした事項の全体についてその真実性を疑うに足りる相当の理由があること 当該事業年度
四 第74条第1項の規定による申告書をその提出期限までに提出しなかつたこと 当該申告書に係る事業年度
2 税務署長は、前項の規定による取消しの処分をする場合には、同項の内国法人に対し、書面によりその旨を通知する。この場合において、その書面には、その取消しの処分の基因となつた事実が同項各号のいずれに該当するかを付記しなければならない。」
(出所:「国税庁 法人の青色申告の承認の取消しについて(事務運営方針)改正23/06/24」)
「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」
(ピーター F.ドラッカー)
秋の1日、元気にお過ごしくださいね。
[編集後記]
今日は、消費税の記事はお休みしました。
ブログは、曜日によりテーマを決めて書いておりましたが、現在はインボイスなど消費税の記事を取り上げて、月曜日~金曜日に記事を書いております。
・「贈与や相続・譲渡など資産税」または「確定申告などの所得税」
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また、読者が理解しやすいように厳密ではない解説をしている部分があります。
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