公益信託認可ガイドライン案「受託者の経理的基礎」とは? ~ 公益信託[81]

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ガイドライン案では、受託者に必要な「経理的基礎」について「①信託財産及び固有財産の確保」、「②適正な分別管理及び経理の仕組み」、「③情報の適正開示の仕組み」が求められています
を紹介します。
受託者による適正な業務運営の確保や寄附者などに対する情報提供の前提として、その公益信託の運営の実態等を正確に把握するため、受託者が適切な経理処理を行う能力を備えている必要があります。
受託者に求められる「経理的基礎」は次の3つです
①「信託財産及び固有財産の確保」
②「適正な分別管理及び経理の仕組み」
③「情報の適正開示の仕組み」
①「信託財産及び固有財産の確保」とは
公益信託事務を安定的かつ継続的に処理するために必要な信託財産及び固有財産が確保されていることです。
具体的には
・ 信託財産については、信託行為、予定財産目録、収支予算書等により、公益信託の規模に見合った公益事務実施のための収入が適切に見積もられている必要があります。
・ 固有財産については、公益信託事務に支障がない程度の財政基盤を有しているかを確認することとしており、債務超過でないことを一つの目安と位置付けつつ、債務超過の理由や安定的な収入見込み等を聴取して柔軟に判断されます。
②「適正な分別管理及び経理の仕組み」とは
公益信託の信託財産の分別管理及び経理が適正に行われる仕組みが整備されていることです。
具体的には
・ 分別管理について、専用口座の開設、物理的な区分(棚やキャビネットの専用使用など)や管理に係る内部手続き等が整備されていることが求められます。
・ 経理の仕組みについて、受託者には、信託財産の種類や規模、信託行為の定め等に応じて、適切に対応できる体制等を整備し、帳簿等の作成を適切に行い、不適正な経理を行わないことが求められます。
・ 不適正な経理を行わないことについて、最低限のルール(規程の整備)や体制(組織的・制度的)対応等が整備されている必要があります。特に、公益事務が、受託者の固有業務と一体的に実施される場合には、ルールの明確化・利益相反防止のための仕組みの整備等が求められます。
③「情報の適正開示の仕組み」
財産目録等の作成、備置き、閲覧等に関する公益信託事務の処理の方法が定められ、公益信託の信託財産の状況に係る情報を適正に開示することができる仕組みが整備されていることです。
具体的には
・ 貸借対照表・損益計算書・信託概況報告等(財産目録等)の書類についての作成プロセス(受託者内部のチェック体制等)や責任について信託行為に定められている必要があります。
・ 情報開示の適切性を確保するためには、会計に知見がある者が確実に関与して作成される必要があります。(収益・費用額が1億円以上の公益信託は、公認会計士や税理士等の会計に精通した者が確実に関与し、収益・費用が1億円未満の公益信託では、経理事務経験者(概ね5年以上)が確実に関与する仕組みが確保されている必要があります。)
(出所:令和7年12月16日第11回施行準備委員会の会議資料)
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(ピーター・F.ドラッカー)
小寒の1日、朗らかにお過ごしくださいね。
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