新しい公益信託制度は認可を返上して辞められるのか?終了のルール? ~ 公益信託[93]

公益信託の記事を掲載します。
新公益信託制度における終了の制限と方法について
を紹介します。
1 委託者と信託管理人の合意のみで公益信託を終了させることはできません
公益信託の適正な運営と継続性を確保するため、信託行為(信託契約など)に別段の定めがあるときを除き、委託者と信託管理人の合意のみで公益信託を終了させることはできません。
公益信託が税制優遇などを受け、安定的・継続的に公益事務を行うことを期待されているため、関係者の恣意的な判断で終了させることが適切ではないと考えられているからです。
2 認可の状態を辞め、信託を終了させるための具体的な方法は次のとおりです
(1)信託行為の定めによる終了について
信託行為(契約や遺言)において、あらかじめ終了事由(特定の日の到来や、信託財産が一定額を下回った場合など)を定めておき、その事由が発生した場合には終了します。
(2)目的の達成等による終了
信託の目的を達成したとき、または目的の達成が不可能になったときには終了事由に該当します。
(3)行政庁による認可の取消し
受託者が勧告や命令に従わない場合や、公益信託認可基準に適合しなくなった場合、行政庁が認可を取り消すことがあり、この場合も公益信託は終了します。
公益信託が終了した場合
その残余財産を委託者や受託者が受け取る(返還を受ける)ことはできません。
残余財産は、信託行為の定めに従い、類似の目的を持つ他の公益信託の受託者や公益法人、あるいは国・地方公共団体など、引き続き公益のために活用する主体に帰属させる必要があります。
<参照>
ガイドラインP73
「公益信託においては、信託行為に別段の定めがない限り、委託者と信託管理人の合意をもって終了させることができない(公益信託法第23条第2項)。この条項は、公益信託は、安定的・継続的に公益事務を行うことを期待されて、社会的サポートを受けつつ公益事務を行うものであり、委託者及び信託管理人の恣意的な判断で終了させることが適切ではないことから、規定されたものである。その趣旨を踏まえると、委託者と信託管理人の合意だけで、いつでも公益信託を終了させることができるような合理的な理由がない信託行為の『別段の定め』について、その存続期間を通じて公益信託事務が処理されることが見込まれるものとは判断できない。」
ガイドラインP125、159
「公益信託は、将来にわたって事業を継続する公益法人と比較して、公益信託事務の内容に応じて有期とすることも考えられる。公益信託の目的達成等(〇〇事業の開催や〇〇の建築など)により信託が終了するもののほか、特定の年月日の到来を終了事由として信託行為に定めることも可能である。」
公益信託の終了事由のリストの中に、「信託行為において定めた事由が生じたとき(読替信託法第163条第9号)」が明記されています。
ガイドラインP109
「公益信託の目的の達成又は不達成は、公益信託の終了事由となり(信託法第163条第1号)ます。」
ガイドラインP251
「命令によっても必要な措置が講じられなかった場合や、公益信託認可の基準に適合しておらず、かつその状態を放置することが公益信託認可制度への信頼確保に悪影響を及ぼすと考えられる場合等は、速やかに公益信託認可を取り消し、その旨を公示する(公益信託法第30条)。」
公益信託の終了事由のリストの中に「公益信託法第30条第1項又は第2項の規定により公益信託認可が取り消された場合(公益信託法第23条第1項)」があります。
(出所:内閣府公益法人行政担当室HP「新しい公益信託制度について令和8年1月14日時点版」、「公益信託認可等ガイドライン令和7年12月版」)
「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」
(ピーター・F.ドラッカー)
啓蟄の1日、朗らかにお過ごしくださいね。
[編集後記]
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また、読者が理解しやすいように厳密ではない解説をしている部分があります。
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