井上寧(やすし)税理士事務所井上寧(やすし)税理士事務所

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2025.06.23.Mon | 消費税

仕入控除税額を個別対応方式により計算する際、課税売上割合に代えて課税売上割合に準ずる割合を使用することができます ~ インボイス制度 消費税[697]




消費税の記事を掲載します




個別対応方式で仕入に係る消費税法を計算する際に、共通対応分の税額を計算する場合には、一定の手続きにより、課税売上割合に準ずる割合を採用することができます




を紹介します。




課税事業者が課税売上げに係る消費税の額から控除する仕入控除税額を個別対応方式によって計算する場合




課税売上げと非課税売上げに共通して要する課税仕入れ等に係る消費税については、原則として、課税売上割合により計算します。




しかし




課税売上割合により計算した仕入控除税額がその事業者の事業の実態を反映していないなど、課税売上割合により仕入控除税額を計算するよりも、課税売上割合に準ずる割合によって計算する方が合理的である場合には、課税売上割合に代えて課税売上割合に準ずる割合によって仕入控除税額を計算することもできます。




課税売上割合に準ずる割合の算定とは




具体的には、使用人の数または従事日数の割合、消費または使用する資産の価額、使用数量、使用面積の割合といったものなど、課税売上げと非課税売上げに共通して要する課税仕入れ等の性質に応じた合理的なものでなければなりません。




課税売上割合に準ずる割合の適用範囲




課税売上割合に準ずる割合を適用する場合には、その事業者が行う事業の全部について同一の割合を適用する必要はありません。


たとえば、次のような区分によりそれぞれ別の課税売上割合に準ずる割合を適用することができます。


(1)事業の種類の異なるごと

(2)事業に係る販売費、一般管理費その他の費用の種類の異なるごと

(3)事業に係る事業場の単位ごと


これらの単位で適用を受ける場合には、一部の事業場について本来の課税売上割合を適用し、他の事業場については合理的な基準による課税売上割合に準ずる割合を適用することもできます。


なお、このような場合には、適用すべき課税売上割合に準ずる割合のすべてについて税務署長の承認を受ける必要があります。




課税売上割合に準ずる割合を適用するためには




税務署長に「消費税課税売上割合に準ずる割合の適用承認申請書」を提出し、適用を受けようとする課税期間の末日までに税務署長の承認を受けておく必要があります。




ただし





適用を受けようとする課税期間の末日までに承認申請書を提出し、同日の翌日から同日以後1月を経過する日までに税務署長の承認を受けた場合、その課税期間の末日においてその承認があったものとみなされます。




<参考>


課税売上割合に準ずる割合の適用の方法




Q:




課税売上割合に準ずる割合の一般的な考え方として、例えば、事業部門ごとに次のような割合を適用することは認められますか?




A事業部

消費税法第30条第6項《課税売上割合の計算方法等》の課税売上割合を消費税法第30条第3項《課税売上割合に準ずる割合》の割合として仕入控除税額を計算する。


B事業部

B事業部の資産の譲渡等の対価の額に占める課税資産の譲渡等の対価の額を消費税法第30条第3項の割合として仕入控除税額を計算する。


C事業部

課税業務と非課税業務の従業員割合を消費税法第30条第3項の割合として仕入控除税額を計算する。




A:




消費税法第30条第3項に定める課税売上割合に準ずる割合は、「当該割合が当該事業者の営む事業の種類の異なるごと又は当該事業に係る販売費、一般管理費その他の費用の種類の異なるごとに区分して算出したものである場合には、当該区分して算出したそれぞれの割合」である場合に適用できることとされています。


したがって、照会のような割合の適用について、その事業者における事業内容等の実態が、その課税仕入れ等のあった課税期間の課税売上割合によっては必ずしも反映されていない場合であって、かつ、その計算された割合の全てが合理的である場合に限り、そのとおり取り扱って差し支えないこととなります。






 

(出所:国税庁 消費税 質疑応答事例)








「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」

(ピーター F.ドラッカー)

夏至の1日、朗らかにお過ごしくださいね。







クライアントに提案したいのは節税ではなく、より良い人生です。






[編集後記]





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