特定課税仕入れがある場合の納税義務の判定と課税売上割合の計算について ~ インボイス制度 消費税[714]

消費税の記事を掲載します。
特定課税仕入れとは国内において国外事業者から受けた「事業者向け電気通信利用役務の提供」と「特定役務の提供」です。その取引に係る納税義務の判定と課税売上割合の計算の取扱いとは?
を紹介します。
たとえば
特定課税仕入れがある場合の納税義務の判定とは?
Q1
①A社は、国内に本店を有する法人です。当課税期間に国外事業者から「特定課税仕入れ」である「事業者向け電気通信利用役務の提供」を受けました。
② 当課税期間は一般課税で課税売上割合も95%未満なので、特定課税仕入れに係る支払対価の額を課税標準として申告を行います。
③ この場合に、翌々課税期間の納税義務の判定を行う際の基準期間における課税売上高に、特定課税仕入れに係る支払対価の額は含まれるのでしょうか?
A1
① 納税義務の判定は、その事業者が行った課税資産の譲渡等の対価の額から計算した「課税売上高」により判定することとされています。
② 「特定課税仕入れ」は、その事業者の仕入れであって、課税資産の譲渡等ではありません。
③ 「特定課税仕入れ」に係る支払対価の額を課税標準として消費税の申告・納税を行っていたとしても、納税義務の判定や簡易課税制度が適用されるか否かの判定における課税売上高には、特定課税仕入れに係る支払対価の額は含まれません。
Q2
特定課税仕入れがある場合の課税売上割合の計算は、どのように行いますか?
A2
① 課税売上割合の計算は、事業者の資産の譲渡等及び課税資産の譲渡等の対価の額により計算します。
② 課税売上割合の計算においては、その事業者の資産の譲渡等及び課税資産の譲渡等ではない「特定課税仕入れ」に係る金額は考慮する必要はありません。その金額は分母にも分子にも算入しないで計算します。
③ 国外事業者の課税売上割合の計算においても、資産の譲渡等及び課税資産の譲渡等からは「特定資産の譲渡等」(「事業者向け電気通信利用役務の提供」及び「特定役務の提供」)が除かれています。特定資産の譲渡等に係る金額は、分母にも分子にも算入しないで計算します。
(国税庁:消費税 質疑応答事例 国境を越えた役務の提供に係る消費税の課税関係)
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(ピーター F.ドラッカー)
大暑の1日、朗らかにお過ごしくださいね。
クライアントに提案したいのは節税ではなく、より良い人生です。
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