国外事業者が行う「電気通信利用役務の提供」は事業者向け、消費者向けで課税方式が違います。区分が重要です~ インボイス制度 消費税[740]

消費税の記事を掲載します。
国外事業者が行う電気通信利用役務の提供のうち「事業者向け電気通信利用役務の提供」はリバースチャージ方式です。役務の提供を受けた国内事業者に申告納税義務が課されます
を紹介します
たとえば
Q:
1 当社は、事業者向けに電子書籍の配信を行う国外事業者です。
2 日本の事業者に対する電子書籍の配信は直接当社が行います。日本の事業者との契約交渉・契約書の作成・代金決済の事務は日本国内の事業者(代理店)が代行しています。
3 この場合、当社は電子書籍の配信を受ける日本の事業者と直接連絡を取ることはありません。
4 日本国内の事業者代理店が各顧客と個別に交渉等を行い契約書を取り交わしており、当社は代理店を通じて取引条件から電子書籍の配信を受ける者が事業者であることを確認しています。
5 この電子書籍の配信は「事業者向け電気通信利用役務の提供」に該当しますか?
6 ちなみに次のような取引です。

A: 「事業者向け電気通信利用役務の提供」に該当します
1 国内事業者に対して提供する役務の内容を国内事業者と代理店との間で個別に交渉し、取引当事者間固有の契約を結ぶ場合において
2 契約書により、国内事業者においてその役務の提供は国外事業者が行うものであると認識でき、国外事業者においても、役務の提供を受ける者を事業者であると認識できるものは、「事業者向け電気通信利用役務の提供」に該当します。
3 また「事業者向け電気通信利用役務の提供」については、その取引が「リバースチャージ方式の対象取引である」旨を役務の提供を受ける者に表示する義務があります。代理店を通じ、国内事業者に対してその表示をする必要があります。
4 なお、日本の代理店が契約の代行等を行って国外事業者から手数料等を受領する取引は、国外事業者(非居住者)に対して行う役務の提供に該当します。国外事業者が国内で直接便益を享受するものではないことから法令に定める契約書等の書類を保存することで輸出免税取引に該当します。
<参考1>
リバースチャージ方式とは

<参考2>
消費税法 第2条
(定義)
「八の二 特定資産の譲渡等 事業者向け電気通信利用役務の提供及び特定役務の提供をいう。」
消費税法 第62条
(特定資産の譲渡等を行う事業者の義務)
「特定資産の譲渡等(国内において他の者が行う特定課税仕入れに該当するものに限る。)を行う事業者は、当該特定資産の譲渡等に際し、あらかじめ、当該特定課税仕入れを行う事業者が第5条第1項の規定により消費税を納める義務がある旨を表示しなければならない。」
消費税法施行令 第17条
(輸出取引等の範囲)
「七 法第7条第1項第3号、前項第3号及び第1号から第5号までに掲げるもののほか、非居住者に対して行われる役務の提供で次に掲げるもの以外のもの
イ 国内に所在する資産に係る運送又は保管
ロ 国内における飲食又は宿泊
ハ イ及びロに掲げるものに準ずるもので、国内において直接便益を享受するもの」
(出所:国税庁 国境を超えた役務の提供に係る消費税の課税に関するQ&A 3-2)
「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」
(ピーター F.ドラッカー)
秋分の1日、朗らかにお過ごしくださいね。
クライアントに提案したいのは節税ではなく、より良い人生です。
[編集後記]
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