通常は、給与は給料日に振り込みますが?

会社が役員にお金を貸して、その貸付金を債務免除しました。そして、その債務免除益が役員の給与とされた事件があります。

給与とは、雇用契約等に基づき提供した労務または役務の提供の対価として受ける給付をいいます。その対価は、現金に限らず金銭のみならず金銭以外の物や経済的な利益も含まれます。

 会社からの貸付金は約48億円

会社(事件では青果荷受組合)は役員(事件では理事長)に対する貸付金(約48億円)を免除しました。これに対し税務署は、債務免除である経済的利益は役員に対する賞与にあたるとしました。

今回の事件では、債務免除益は給与に該当しました

債務免除は雇用契約に類する原因に基づき提供した役務の対価として、功労への報償等を考慮した給付であると裁判所は判断しました。

ことはこれだけでは終わらない

給与となると会社に源泉徴収義務の問題が発生します。今回のケースでは源泉徴収税額は約5億円となります。不納付加算税も生じます。(すべての問題が芋ずる式に生ずるところに恐怖を感じますね。)

 役員と同族会社間の税金問題について

会社や役員との間でさまざま取引が行われます。細心の注意が必要だと思います。税務上においては、安易に考えないようにしてくださいね。

たとえば、●会社が役員からお金を借りる ●会社が役員から土地を借りる ●会社が役員から土地を買うなど

会社法上の問題を考える必要があります

会社が、その役員との間で金銭消費貸借契約を結ぶ行為は、会社法上、会社とその役員との間の自己取引になることになります。会社が役員にお金を貸す場合には、あらかじめ、その自己取引について取締役会の承認を得ることが必要になります。この場合において、取締役会を設置していない会社では、株主総会の承認が必要となります。