厚生労働省が2月7日に国会に提出した法律案は、介護保険法を含め老人福祉法など31本を束ねた法律案、参議院で審議中です。ポイントとなるのは「ⅰ地域包括ケアシステムの深化・推進」、「ⅱ介護保険制度の持続可能性の確保」です。

そのうち、「ⅰ地域包括ケアシステムの深化・推進」については、4/29、5/6の記事に掲載しました。

今回は「ⅱ介護保険制度の持続可能性の確保」について説明します。

次の2つがポイントです。

① 介護納付金への総報酬制の導入。

② 2割負担者のうち特に所得の高い層の負担割合を3割とする。

これだけでは何が変わるのか、どう影響が出るのか分からないですよね。この見直しはすぐに効くようものではありませんが、漢方薬のようにじわじわ効くような改正です。

介護納付金への総報酬制の導入とは~平成29年8月分より実施

現在、第2号被保険者(40~64歳)の保険料は、介護納付金として医療保険者に賦課しています。そして、各医療保険者が加入者である第2号被保険者の負担すべき費用を一括納付しています。この介護納付金の負担方法を、「加入者割」から収入に比例して負担する「総報酬割」に段階的に移行するというもの。

これによって、組合健保と共済組合は負担増となり、所得水準の低い協会けんぽは負担減となります。総報酬制に完全に移行した場合、1人当たり組合健保と共済組合では月727円の増、協会けんぽでは241円下がると試算されています。

また、これらにより協会けんぽに支給されている国庫補助が最終的に不要となると予測されています。

2割負担者のうち特に所得の高い層の負担割合を3割とする~平成30年8月より実施

特に所得の高い層について介護保険サービスについて、2割負担者を3割とする見直しを行うというものです。ただし、月額44,400円の負担の上限を設けるとなっていますので、影響は軽微とされています。

重要なことは、この3割負担者の対象者層の収入などが介護保険法で規定されるのではなく、省令でされるとなっています。次回以降の見直し等が弾力的に運用できることとなっています。将来的に利用者の負担が増加するおそれがあるというものです。

制度が疲弊して、持続が不可能となれば大変です。

税制度と社会保険制度の各々の趣旨は相違するとは思います。各々の制度バックボーンとなる考え方について理解を深めていきたいと思っています。

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