昨日は、公正取引委員会が平成28年に公表した「介護分野に関する調査報告書」から、株式会社などの法人が特別養護老人ホーム(自治体設置)の指定管理者になることは、制度上可能であると伝えました。

厚生労働省は、業務委託や指定管理者制度などの公募要件に理由もなく株式会社を除外しないよう地方公共団体に対して、平成26年9月に厚生労働省は各自治体宛てに通知を発出しています。

次のようなものです。

厚生労働省社会・援護局福祉基盤課長通知「社会福祉施設に係る指定管理者制度の運用について」(平成26年9月29日社援基発0929第1号)

「社会福祉施設を含む公の施設に係る指定管理者の対象については、(省略)民間事業者等が幅広く含まれるものであるとされているところですが、(省略)社会福祉施設における指定管理者制度等の運用の改善の観点から、業務委託や指定管理者制度などの公募要件において理由もなく株式会社を排除しないよう地方公共団体に通知することが求められています(省略)あらためてご理解ください。」

こうしたことから、公正取引委員会は競争政策上の考え方として

自治体は自ら設置する特別養護老人ホームにおいて株式会社等を指定管理者とするように、指定管理者制度を積極的に活用すべきであると提案しています。

さらに、この点について同委員会が厚生労働省の通知等を踏まえた運用等の見直し状況を地方自治体に確認したところ

地方自治体に対するアンケートでは,回答者の78.4%が、「特に決まっていない(今後検討する)」(41.5%)又は「見直す予定はない」(36.9%)と回答したそうです。

こうした状況等も踏まえて、同委員会は有識者から介護分野の実態等に関する意見を聴取した意見交換会での意見を紹介しています

・「厚生労働省は,指定管理者制度に関する通知を出したことで責任を果たしたと思っているのかもしれないが,その後の実態はどうなっているかをよくみるべきである」

・「指定管理者制度は図書館や公民館の運営には適した制度であると思うが,医療・介護分野には適さないと思う」

報告書では、自治体にアンケートを実施して、自治体が特別養護老人ホームの指定管理者に株式会社等を指定しない理由を明らかにしています。さまざまな理由が寄せられています。本当のところ、この問題の本質は私にはまだわかりません。

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