公正取引委員会が平成28年に公表した「介護分野に関する調査報告書」のうち、参入規制にかかる「①多様な事業者の新規参入が可能となる環境の整備」の部分をお伝えします。

公正取引委員会は調査報告書で

「特別養護老人ホームの開設主体に係る参入規制については,多様な事業者の新規参入を図るためにこれを撤廃し,医療法人,株式会社等が社会福祉法人と対等の立場で参入できるようにすることが望ましいと考えられる。」

と競争政策上の考え方から、特別養護老人ホームの開設主体に係る参入規制の撤廃を主張しています。

まず、次のとおり現状を分析しています。

現行制度においては,特別養護老人ホームの開設主体となり得るのは社会福祉法人等に限られている。

その理由として

① 株式会社等は倒産等の理由により撤退する懸念があることや、株式会社等の場合は撤退時の利用者保護が図られにくいと考えられていること

② 特別養護老人ホームの新規入所者が原則として要介護3以上の高齢者に限定されたことにより公的性格がより強まったものと考えられること

③ 株式会社等の参入希望がないと考えられていること

そして次のとおり、それぞれの理由に反論しています。

①については、撤退時の残余財産に係る規制等により、別途、利用者保護策を採ること等が十分に考えられること

②については、介護付き有料老人ホーム等においても、要介護3以上の高齢者が入居しており、株式会社等が参入できない理由とはならないと考えられることから、株式会社等であることをもって参入を排除する合理性・必要性は乏しいと考えられること

③については,公取委が実施したアンケート結果のとおり、参入意欲がある事業者が一定程度存在することが認められること

開設主体の段階的な緩和も考えられるという提案をしています

例 ①社会医療法人等の医療法人

⇒②社会福祉法人と株式会社等の共同出資会社

⇒③株式会社等

必要な規制と見直すべき規制があると思います。

根拠がないのに規制緩和するのは合理的ではありません。合理的な根拠があれば規制緩和する必要があります。

さて、どうでしょうか?

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