社会保障審議会・介護給付費分科会で在宅サービスについて議論されています。その資料の中で、大阪府の調査報告書がとりあげられています。

24日のブログ記事に続けて、その大阪府の調査報告書を取りあげます。

(上図は、平成29年7月5日第142回 社保審-介護給付費分科会の「訪問介護及び訪問入浴介護」参考資料1から)

 

厚生労働省が次のとおり「大阪府の有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅等における入居者の介護サービス利用状況にかかる実態調査結果」の概要を作成しています。

1 なぜ、こうした調査を行うのか?その調査の理由は、

① 有料老人ホームの約6割を占める住宅型有料老人ホームや、サービス付き高齢者向け住宅(特定施設入居者生活介護の指定なし)は、保険者において「入居者」を特定した上で、利用する介護保険サービスの種別や金額を随時正確に把握できるシステムが存在しないため、提供されている介護サービス内容が外から見えにくいという課題があります。

② このため、専門部会参加11市町に呼びかけ、住民票の住所地情報との突合により、名寄せできる被保険者番号を元に、高齢者住まいの入居者の要介護度や介護サービスの利用実態等を分析しました。

 

2 調査から判明したことは

① 被保険者番号が分かった人数:11,257人

分析を行った市町における有料老人ホーム、サ高住の定員数に対する捕捉率:36.2%

※ 今回、被保険者番号や介護サ-ビスの利用実態が特定できたのは、住民票を高齢者住まいに移している市町民だけです。他市町村民や、持ち家等があるため住民票を移していない市町民のデータは拾えませんでした。

② 入居者の要介護度等は次のとおりでした。

要介護3以上は、有料老人ホーム(住宅型)56.8%、サ高住(指定なし)43.6%

③ 区分支給限度基準額に対する利用割合は

平均で約9割 ※居宅療養管理指導に係る費用を含んでいる点に留意してください。

 

大阪府の専門部会は、調査結果をもとに次のように分析しています。

ポイントは次の2点です

・実態の全貌を捉えることができる「データベースが整備されていない問題」があります。

・利用者に直接対応するケアマネジャーの資質向上と自立支援型の地域ケア会議に取り組む必要があります

 

ポイントはどういうことか?少し長くなりますが、その該当部分を引用します。特徴のある大阪府の実態がよく分かります。

(以下は大阪府高齢者保健福祉計画推進審議会専門部会報告書「大阪府における介護施策の現状と課題、対応の方向性について」平成 28 年12 月16 日から)

① 実態の全貌を捉えることができる「データベースが整備されていない問題」があります。

特に調査から、住宅型有料老人ホーム、サービス付高齢者向け住宅に要介護者が多数入居するなど、実質的に施設と同様に要介護者が集合的に居住している実態があることが明らかになりました。また、これらの新たな「住まい」に入居している高齢者には、調査が可能となった対象という限定はつくものの、区分支給限度基準額の約9割の介護サービスが利用されており、特に要介護3以上の方々に対しては、施設サービス以上の給付費がかかっているケースも散見されているにもかかわらず、その全貌を捉えることができるデータベースが整備されていないという問題が明らかになりました。

 

② 利用者に直接対応するケアマネジャーの資質向上と自立支援型の地域ケア会議に取り組む必要があります。

大阪では、居宅サービスを主としたサービス提供体制が構築されており、しかも新たな「住まい」も多く存在するという、全国でも稀少な形態となっています。

このため、健康寿命が他県に比較して短いことや、要介護認定率が高いといったことを鑑みると、複数の慢性疾患や認知症を抱え、外来通院や訪問介護を利用しながら可能な限り居宅において生活を継続しているものと推察されます。

また、要介護4・5といった重度者の原因が、脳血管疾患が最多となっているなどを踏まえれば、その再発防止や生活習慣病の予防に資するためのセルフマネジメントも必要となります。

このような利用者本位のマネジメントを実現させるためには、医療と介護の連携に関するマネジメント能力を各自治体が向上させることはもちろんですが、利用者に直接対応するケアマネジャーの資質向上を図るための多様な方策が必須となります。

 

すでに、自立支援型の地域ケア会議に取り組むことや、ケアプラン点検に力を入れてきた自治体において、要介護認定率の上昇が抑えられている事象があることから、これらについては、その内容を詳細に分析したうえで参考にしていくことが求められています。

 

 

火・木・土曜日は、最近は「介護事業の基礎知識バージョンアップ編」として、記事を紹介しています。

 

「介護事業の基礎知識バージョンアップ編」は、ケアビジネスに関心がある方やこれから介護事業の経営に取り組まれようと考えられている方を対象に、介護事業に関する基本的で重要な事項を紹介する内容にしていきます。

 

最近の【介護事業の基礎知識バージョンアップ編】の記事は次のとおりです。

「軽度者に対する生活援助サービスの給付のあり方」はこちら(8/27)

「資金ショートを防ぐ、介護事業の開業時運転資金の調達は計画的に。」はこちら(8/26)

「大阪府内の有料老人ホーム等における介護サービス利用状況の実態調査」はこちら(8/24)

「大阪府内の『サ高住等』は、サービス利用が非常に高い。」はこちら(8/22)

「介護事業の開業時には運転資金は4月~5ケ月分のお金が必要?」はこちら(8/19)

「平成30年度の介護報酬改定まで、あと4か月およびそのスケジュール感」はこちら(8/17)

 

介護事業は社会課題解決事業です。

一方、保険料と税で運営されている社会保険制度としての制度ビジネスです。3年ごとに改定される制度変更には、しっかりと対応することをおすすめします。

 

課題をお持ちの開業を準備されている方や準備を検討されている方は、是非、ご相談ください。一緒にベストな解決策を検討しましょう。

 

制度変更により、大きく収入が落ち込んで事業縮小や廃業を余儀なくされるケースを避けるために、制度改定を予測して、事業経営に活用することが大切だと思います。

 

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