前週の金曜日(8/25)の記事の続きです。贈与財産だけども相続税の課税財産に取り込むという制度でした。もう少し詳しく紹介します。

 

相続開始前3年以内の贈与財産の相続税の課税価格加算です。(ざっくりと)

生前贈与財産の加算により、被相続人からの生前贈与のうち相続開始前3年以内のものは、その受贈者の相続税に加算されることになっています。贈与によって取得した財産も、金額に関係なく相続財産になることがあります。制度の概要はこちら(8/25)

 

次のようなイメージです。

相続税の課税価格 + 生前贈与加算額 = 相続税の(みなし)課税価格

 

生前贈与加算?その趣旨は。

贈与税が課されない基礎控除以下の金額の贈与にもかかわらず、相続開始前3年以内に受け取った場合には、なぜ相続税が課税されるのでしょうか?

「相続開始前3年以内」の贈与という、亡くなる直前の贈与だからです。被相続人が死期を予測しつつ、生前に財産を計画的に贈与し、相続税の超過累進税率の適用を避けるための節税対策を防止するためです。

贈与税は、相続税の補完税としての性格があります。その贈与財産をできる限り相続財産の課税価格に取り込み、税負担の公平を図りたいという趣旨です。

 

そこで税法上では、相続開始3年以内の贈与は、金額に関係なく相続税の課税対象として取扱うことになっています。

 

生前贈与加算の対象となる者は、

被相続人から相続または遺贈(死因贈与を含む。)により財産を取得した者なのですが、次のような点に注意します。

① 「こうした財産を取得した者」には、個人とみなされる人格のない社団、公益法人等が含まれます。

② 相続放棄者など相続財産をまったく取得しなかった者は適用対象外になります。

 

具体的に「相続の開始前3年以内」とは、

相続開始の日からさかのぼって3年目の同じ日以降をいいます。例えば、相続開始の日が平成29年8月22日であれば、3年前の応当日(平成26年8月22日)までの間をいいます。

 

相続税の課税価格に加算される価額は?

例えば、駅前の土地を贈与されていたとします。贈与されたときと相続開始時で、その駅前の土地の価格が違った場合はどうなると思いますか?

 

その駅前の土地は贈与の時には8千万円と評価され、その価格に対する贈与税を支払っていました。しばらく経って、駅前の土地が相続時の時に1億8千万に値上がりしてしまっていた。

差額1億円も相続税の対象となってしまうのでしょうか?

この場合は「贈与時の価格8千万円」で評価します。

こういう場合には贈与税と相続税の二重課税が起こります。次回は、二重課税排除の取扱いをご紹介します。

 

月・水・金は次のとおり税務の記事を

月曜日は「マイホームの税金の手引き」

水曜日は「会社で事業をした場合(法人成り)のメリット」

金曜日は「いざそのときにあわてないための相続税や贈与税に関する知識」

 

最近の「相続時精算課税制度」の記事は、次のとおりです。

・「贈与によって取得した財産も、金額に関係なく相続財産になります」はこちら(8/25)

・「後戻りはできません。相続時精算課税制度はよく考えて選択しましょう」はこちら(8/18)

・「相続税のかからない人には相続時精算課税制度は効果的」はこちら(8/11)

 

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火・木・土曜日は、「介護事業の基礎知識バージョンアップ編」として、記事を紹介しています。

 

「介護事業の基礎知識バージョンアップ編」は、ケアビジネスに関心がある方やこれから介護事業の経営に取り組まれようと考えられている方を対象に、介護事業に関する基本的で重要な事項を紹介する内容にしていきます。

 

最近の【介護事業の基礎知識バージョンアップ編】の記事は次のとおりです。

・「大阪府内の住宅型有料老人ホームやサービス付高齢者向け住宅における『サービス利用の見える化』」はこちら(8/31)

・「『大阪府における介護施策の現状と課題、対応の方向性』では、データベースが整備されていない問題やケアマネジャーの資質向上が課題」はこちら(8/29)

・「軽度者に対する生活援助サービスの給付のあり方」はこちら(8/27)

・「資金ショートを防ぐ、介護事業の開業時運転資金の調達は計画的に。」はこちら(8/26)

・「大阪府内の有料老人ホーム等における介護サービス利用状況の実態調査」はこちら(8/24)

 

介護事業は社会課題解決事業です。

介護事業は保険料と税で運営されている社会保険制度としての制度ビジネスです。3年ごとに改定される制度変更には、しっかりと対応することをおすすめします。

 

課題をお持ちの開業を準備されている方や準備を検討されている方は、是非、ご相談ください。一緒にベストな解決策を検討しましょう。

 

制度変更により、大きく収入が落ち込んで事業縮小や廃業を余儀なくされるケースを避けるために、制度改定を予測して、事業経営に活用することが大切だと思います。

 

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