前週の金曜日(9/1)の記事の続きです。贈与財産だけど、相続税の課税財産に取り込むという制度でした。

 

相続開始前3年以内の贈与財産の相続税の課税価格加算です。(ざっくりと)

生前贈与財産の加算により、被相続人からの生前贈与のうち相続開始前3年以内のものは、その受贈者の相続税に加算されることになっています。贈与によって取得した財産も、金額に関係なく相続財産になることがあります。

 

次のようなイメージです。

相続税の課税価格 + 生前贈与加算額 = 相続税の(みなし)課税価格

 

既に課税された贈与税と相続税で二重課税が起こりますが、この重複課税を排除します。

相続税の課税価格の計算上、3年以内の生前贈与加算が適用される者については、二重課税を避けるため、相続税額の計算上、「贈与税額控除」が適用されます。

詳しい算式は割愛します。相続税の課税価格に生前贈与加算された財産につき、贈与税が課税されているときは、その税額を控除しようとものです。

 

生前贈与について、子供が生前に父親から贈与を受けている場合を具体的に考えますと

①平成29年9月1日 父死亡

②平成28年9月1日 定期預金贈与    30万円

③平成27年9月1日 上場株式贈与    300万円

④平成26年8月31日 土地贈与    1,000万円

 

相続税の計算において相続財産に加算されますのは、②定期預金30万円と③上場株式300万円の330万円です。土地は、相続の開始前3年以内ではありませんので、加算しません。

また、相続により財産をもらっていない人は、死亡前3年以内に贈与により財産をもらっていても、相続財産に加算することはありません。

 

生前に贈与した財産でも、その贈与者が死亡しても相続税の計算上、相続財産に加算しなくてよい場合があります。次のような生前贈与の特例を利用した場合です。

 

① 贈与税の配偶者控除特例(夫婦間での居住用不動産等の贈与) 詳しくはこちら(7/14)

② 教育資金の一括贈与 詳しくはこちら(7/21)

③ 住宅取得等資金贈与の特例 詳しくはこちら(7/10)

 

他方で、「結婚・子育て資金の一括贈与の非課税」は贈与者が期間中に死亡したときは、使いきれなかった残高は相続財産として相続税の対象になりますので、ご注意ください。

「結婚・子育て資金の一括贈与の非課税」 詳しくはこちら(7/28)

 

月・水・金曜日は次のとおり税務の記事を

 

金曜日は「いざそのときにあわてないための相続税や贈与税に関する知識」

・「相続開始前3年以内の贈与財産は、『相続税の課税価格』に加算します。」はこちら(9/1)

・「贈与によって取得した財産も、金額に関係なく相続財産になります。」はこちら(8/25)

・「後戻りできません。『相続時精算課税制度』はよく考えて選択しましょう。」はこちら(8/18)

・「相続税のかからない人には『相続時精算課税制度』は効果的。上図に活用しましょう。」はこちら(8/11)

・「一般の贈与税制度(暦年課税)と相続時精算課税制度とは、かなり中身は違います。」はこちら(8/4)

 

月曜日は「マイホームの税金の手引き」

水曜日は「会社で事業をした場合(法人成り)のメリット」

 

火・木・土曜日は、「介護事業の基礎知識バージョンアップ編」として、記事を紹介しています。

 

「介護事業の基礎知識バージョンアップ編」は、ケアビジネスに関心がある方やこれから介護事業の経営に取り組まれようと考えられている方を対象に、介護事業に関する基本的で重要な事項を紹介する内容にしていきます。

 

・「地域に根差した公的介護保険外サービスのポイント」【卯津羅泰生(うずらやすお)氏】はこちら(9/7)

・「ビッグデータを分析可能とする『保健医療データプラットフォームは2020年本格稼働』」はこちら(9/5)

 

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