金曜日は、贈与税や相続税について紹介しています。離婚件数が増加しているそうです。3件のうち1件?それを背景に

離婚に伴う財産分与が行われた場合の税務相談が増加しているそうです。単純に考えれば、贈与が絡むように見えます。今回はその場合の課税関係を考えていきます。

 

財産(離婚給付)を受け取る人(妻とします)の場合

離婚給付には、慰謝料、養育費、財産分与の3種類があります。いずれも非課税です。(財産分与については、社会通念を超える場合などは課税される場合があります)

① 慰謝料

離婚について主として責任のある方が、他方に損害賠償責任として支払います。

② 養育費

双方の財産や収入の状況により、子を引き取って養育する親に対して、他方の親から子の養育のため支払います。

③ 財産分与

離婚に際して、婚姻中に夫婦の努力によって形成された財産を清算することになります。

 

なお、養育費については、必要な都度支払われたものは非課税とされますが、一括払いは原則として贈与税の課税対象と考えられています。注意してください。

 

財産(離婚給付)を渡す人(夫とします)の場合

①慰謝料、②養育費、③財産分与、は課税されません。

 

しかし、財産分与が土地・建物の場合は夫に課税されます。

財産分与が土地や建物で行われたときは、夫が時価で売却したものとして、資産の譲渡があったものとされます。というのは、譲渡があったものとされる資産が譲渡所得の起因となる資産(土地や建物)ですので、譲渡所得の課税関係が成立します。

離婚により土地・建物の財産分与を考えられている場合は、譲渡所得の課税について慎重に検討する必要があります。

 

ただし、一定の場合の、マイホームの売却益からの3,000万円の特別控除(居住用財産の特別控除)の適用について、「離婚」によることが明らかである場合には、原則として適用可能です。つまり、次のように考えて特別控除が利用できます。

 

「例えば、土地・建物の財産分与で、戸籍の除籍手続前の名義変更の場合、特殊関係者である配偶者に対する譲渡として、特別控除の適用が受けられないように考えられますが、その後、速やかに除籍する等離婚に伴う財産分与と認められれば、その譲渡は名義変更のときなされたのではなく、除籍した後、効力が発生したもの考えられます。

(「平成29年版税務相談事例集」:大蔵財務協会から加筆引用)

 

 相続税法基本通達9-8  婚姻の取消し又は離婚により財産の取得があった場合

「婚姻の取消し又は離婚による財産の分与によって取得した財産(省略)については、贈与により取得した財産とはならないのであるから留意する。ただし、その分与に係る財産の額が婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮してもなお過当であると認められる場合における当該過当である部分又は離婚を手段として贈与税若しくは相続税のほ脱を図ると認められる場合における当該離婚により取得した財産の価額は、贈与によって取得した財産となるのであるから留意する。」

 

離婚は残念なことですが、将来の財産等の整理について、税金で損のないようにきっちりと手続きすることは大切だと思います

検討にあたっては事前に専門家に相談されることをおすすめします。

 

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月・水・金は次のとおり税務の記事を

 

月曜日は「マイホームの税金の手引き」

水曜日は「会社で事業をした場合(法人成り)のメリット」

金曜日は「いざそのときにあわてないための相続税や贈与税に関する知識」

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・「子どもがいる女性が再婚した場合の相続を考えます。その子どもの相続する権利はどうなりますか?」はこちら(9/15)

 

火・木・土曜日は、「介護事業の基礎知識バージョンアップ編」として、記事を紹介しています。

 

「介護事業の基礎知識バージョンアップ編」は、ケアビジネスに関心がある方やこれから介護事業の経営に取り組まれようと考えられている方を対象に、介護事業に関する基本的で重要な事項を紹介する内容にしていきます。

 

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