介護報酬改定で適正化の対象になりそうなもので、主なものは次の三つです。

① 有料老人ホーム等の併設事業所に対する集合住宅減算の強化

② 訪問介護の生活援助の見直し

③ 通所介護に係る基本報酬の減算措置を含めた介護報酬の適正化

 

今回は上記の③の「通所介護サービスに係る介護報酬の適正化」を紹介します。

まず、見直しの対象となった理由とは次のような指摘です。

平成29年11月29日財政制度等審議会「平成30年度予算の編成等に関する建議」から

 

(通所介護サービスの適正化)

「通所介護サービスを提供する事業所のうち、個別機能訓練加算を取得し、理学療法士等の専門職の配置を行っている事業所については、他の事業所と比べて、利用者の日常生活自立度の改善・維持率が高くなっている」

 

「一方で、事業所の規模が小さいほど、個別機能訓練加算の取得率が低くなる一方、サービス提供1回当たりの単位数は高くなる傾向にあり、規模が小さい事業所に通う利用者にとっては、機能訓練などの質の高いサービスを受ける割合が低いにもかかわらず、高い費用を支払う結果となっている」

 

「こうしたことを踏まえると、通所介護について機能訓練などの自立支援・重度化防止に向けた質の高いサービス提供がほとんど行われていないような場合には、事業所の規模にかかわらず、基本報酬の減算措置も含めた介護報酬の適正化を図るべきである」

〔資料Ⅱ-1-31 下図参照〕

こうした経過を踏まえて、通所介護サービス見直しの内容が次のように提示されています。

平成29年12月6日付第155回社会保障審議会介護給付費分科会資料「平成30年度介護報酬改定に向けて」から抜粋・修正

 

① 基本報酬は大規模型ほど引き下げ?

基本報酬について、介護事業経営実態調査(下図参照)による収支差率等の実態を踏まえた上で、規模ごとにメリハリをつけて見直す(規模別に比較すると、規模が大きくなるほど収支差率も大きくなっているので、規模が大きいほど引き下げ)。

② 基本報酬のサービス提供時間区分の見直し

2時間ごとの設定としている基本報酬について、サービス提供時間の実態を踏まえて1時間ごとの設定に見直す。

③ 生活機能向上連携加算の創設

外部の通所リハ事業所等のリハビリ専門職との連携による機能訓練の推進により、生活機能向上を図る。

④ 通所介護への心身機能の維持に係るアウトカム評価の導入

通所介護事業所において、自立支援・重度化防止の観点から、一定期間内に当該事業所を利用した者のうち、ADL(日常生活動作)の維持又は改善の度合いが一定の水準を超えた場合を新たに評価する。

 

通所サービスの見直しの主な方向性は、以上の4点です。

 

12/5から介護報酬改定の動向を紹介しています。改定の内容については、現在、厚生労働省の社会保障審議会の介護給費分科会で議論されています。

改定の動向です。決定ではありませんが、何が論点となっているのか知っておくことは大切だと思います。

次回12/14(木)も、介護報酬改定の動向を紹介します。

 

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