水曜日は、納税猶予割合が100%となる「新事業承継税制」をわかりやすく紹介しています。

10回目です。

「贈与を実行して贈与税の納税猶予および免除の適用を受けたケースの全体像・イメージ」

を紹介します。

複雑な税制ですので、オーソドックスなパターンとして、贈与から始まる場合の全体像を提示します。贈与は相続と違って、経営者がその実行をコントロールできます。この制度を活用するには、分かりやすいと考えます。

 

①この特例制度の適用期限は

2018年1月1日から2027年12月31日まで(10年以内の贈与)

事前の計画策定が必要

2018年4月1日から2023年3月31日まで(5年以内の承継計画の提出)

先代から後継者へ贈与の実行

先代経営者である贈与者から、全部または一定数以上の株式の贈与を受ける必要があります。

④猶予されている期間

贈与税申告後、この制度の適用を受けた自社株式を保有することにより贈与税の納税猶予が継続されます。

⑤先代経営者(贈与者)の死亡

免除届出書・免除申請書を提出することにより、その死亡により納税猶予されている贈与税についてその納付が免除されます。

⑥自社株式のみなし相続

贈与税の納税猶予・免除の適用を受けた自社株式は、相続により取得したものとみなして、贈与の時の価額により他の相続財産と合算して相続税を計算します。

⑦相続税の納税猶予・免除を受けることができます。次の手続きをします。

■円滑化法の確認

■相続税の申告書(納税猶予等の適用を受ける旨と一定の書類等)、担保提供

 

贈与税(納税猶予)→贈与税(免除)→相続税(納税猶予)→相続税(免除)…という連環が想定されているわけです。

このループが繰り返されていると、永遠に納税猶予・免除の適用を受けることができます。将来にわたって、事業が発展・成長すれば問題ありません。

しかし、赤字や売上減により事業継続が困難な場合が生じて、他者に株式等を譲渡する場合を想定する必要があります。

制度には、そうした場合の規定も用意されています(特例措置~事業の継続が困難な事由が生じた場合の納税猶予額の免除について)。

 

今回はざっくりと制度のイメージを理解していただければと思って記事を作成しました。

 

… 実は、事業承継税制は平成21年に創設されています。すでに10年経過しています。その間、制度の活用は進みませんでした。円滑化法での平成29年の贈与・相続認定件数はわずか352件でした。

中小企業の経営者の高齢化を踏まえて、今回、新事業承継税制として大きく改正され、特例措置ができたわけです。

 

今後、経営者が抱える事業承継の問題に、少しでもこの新しい事業承継制度がベストな解決策となるよう活用をさらに考えていきます。

 

Every day is a new day!

みなさん、今日も初夏の1日を朗らかにお過ごしください。

 

水曜日は「新事業承継税制」を紹介しています。

https://www.y-itax.com/category/shokei/

 

新事業承継税制について

① 平成30年1月1日からの贈与・相続について適用されます

② そもそも事業承継税制とはいったい何なのか?

 非上場株式等の贈与税等の納税猶予及び免除~新旧制度の比較

④ 納税猶予を受けるための手続(その1)~贈与税の申告まで

⑤ 非上場株式等の贈与税の納税猶予を受けるための手続(その2)~贈与税申告の後

⑥ 納税猶予を受けるための手続(その1)~相続税の申告まで

⑦ 納税猶予を受けるための手続(その2)~相続税申告の後

⑧ 新事業承継税制は中小企業の株式を贈与相続により移転する際に活用します

⑨ 新事業承継税制の利用により、いくら相続税が猶予・免税になるのか

事業承継・税理士の視点

① 相続と事業承継の相違はそもそも何か? 

② 事業承継に公的支援がされるのはなぜか?   

③ 「堀金箔粉」~京都老舗の事業承継のルールとは。   

④ 「誰に事業を承継させるのか?」~親族内承継、従業員承継、M&A  

 

 

「同族会社とその役員間の税務ルール」を紹介しています。

https://www.y-itax.com/category/houjin/

あてはまる事例を参考にしてくださいね。

 

土地貸借の税務ルール

・「会社が、社長から土地を借りる」と税金の問題が発生します」はこちら(1/24)

・「会社が権利金を支払うケース」はこちら(1/31)

・「会社が相当の地代を支払うケース」はこちら(2/7)

・「権利金に代えて、相当の地代に満たない地代を支払うケース」はこちら(2/21)

・「無償返還に関する届出書を提出すると認定課税は行われません」はこちら(2/28)

 土地売買の税務ルール

・「会社が社長から土地を買う。その時の時価をどう算定するか」はこちら(12/13)

・「会社が社長から土地を買う。社長と会社の税金はどうなりますか?」はこちら(12/20)

・「会社が、社長から低額で土地を買うと税金の問題が発生します」はこちら(12/27)

・「会社が、社長から高額で土地を買うと…」はこちら(1/3)

・「社長が、会社から低い価額で土地を買うと…」はこちら(1/10)

・「社長が、会社から時価より高い価額で土地を買うと…」とはこちら(1/17)

建物貸借の税務ルール

・「会社が社長から建物を借りる」はこちら(10/11)

・「会社が社長から建物を借りる、社長の税金」はこちら(10/18)

・「社長が会社から建物を借りる、家賃のルール」はこちら(10/25)

・「社長が会社から建物を借りる、低額家賃の場合」はこちら(11/1)

 金銭貸借の税務ルール

・「会社が社長からお金を借りる」はこちら(11/8)

・「会社が社長からお金を借りる、高金利の場合」はこちら(11/15)

・「会社が社長からお金を借りる、無利息の場合」はこちら(11/22)

・「社長が会社からお金を借りる」はこちら(11/29)

・「社長が会社からお金を借りる、無利息の場合」はこちら(12/6)

 

ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。

・月曜日は「開業の基礎知識~初めて開業する方に、税理士からお伝えします」

・火・木曜日は「平成30年度介護報酬改定の重要事項」

・水曜日は「事業承継・税理士の視点」

・金曜日は「相続税ついてわかりやすく!」

・土曜日は「経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方」

・日曜日は「贈与税をわかりやすく!」