井上寧(やすし)税理士事務所井上寧(やすし)税理士事務所

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2018.10.07.Sun | 税金(贈与)

「生命保険契約」個人から個人への契約者変更~贈与税をわかりやすく⑱

 

日曜日は〝贈与税をわかりやすく〟です。

生命保険契約と税金との関係でご質問がありました。

よくあるケースだと思いますので、ご紹介します。

 

結論からご説明しますと、

生命保険契約を個人同士で名義変更した場合、その時に課税関係は生じません

 

ご質問の内容(事例)

父親が契約者および被保険者となって保険料を負担していた生命保険契約があります。

契約者をこども(長女)の私に名義変更します。今後は、子どもの私が保険料を負担します。今まで父親が払い込んだ保険料について、贈与税の申告は必要ですか?

 

 

贈与税の申告は必要ありません

生命保険契約の契約者および保険金受取人の名義変更があったとしても、その名義変更があった年に贈与税の課税が生じることはありません。

 

今後、保険契約を解約し、保険契約の満期時に保険金を取得したときに、保険金受取人以外の者が負担した保険料の金額に対応する部分について、贈与により取得したものとみなされて贈与税がかかります。

つまり、「みなし贈与」が発生します。

 

生命保険契約を個人同士で名義変更した場合、その時には課税関係は生じないということです

 

これをもう少しくわしく言いますと、

個人から法人、法人から個人、個人と法人間で契約者変更をした場合は、その際に課税関係が発生します。

しかし、個人間の場合では、死亡時や満期時に支払うことで契約が消滅する際に課税するという「消滅時課税」により、消滅時にその負担割合で課税します。

 

たとえば、契約者が途中で変更されていた契約で、満期返戻金を受け取った場合には、各々契約者(保険料負担者)と保険受取人との関係で課税が発生します。

具体的には、満期返戻金を、それまで支払われた保険料全額のうち各契約者の負担割合で按分して、課税関係を判断します。

 

先ほどの事例で解説しますと

途中で契約者(保険料負担者)・受取人がこども(長女)変更されているとすると

こども(長女)は、満期返戻金を受け取ったときは

父親が負担した保険料部分については贈与税、自分(こども)が負担した保険料部分について所得税(一時所得)に区分されます。

 

 

生命保険契約の課税関係は、契約者、負担者、被保険者、受取人など登場人物が多く、それらに伴って、相続税、贈与税、所得税などの課税関係も複雑になるケースがあります。

分かりにくい箇所があれば、保険の専門家などに納得いくまで説明を受けることをおすすめします。

 

Every day is a new day!

今日も秋の1日を元気にお過ごしください。

 

贈与税をわかりやすく

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贈与税を中心とした「マイホームの税金」に関するブログ記事は

http://www.y-itax.com/category/kojin/myhome/

 

ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。

・月曜日は開業の基礎知識~創業者のクラウド会計

・火曜日は「平成30年度介護報酬改定の重要事項」

・水曜日は新事業承継税制特例のポイント解説

・木曜日は法人節税策の基礎知識【創業者向け】

・金曜日は「相続税ついてわかりやすく!」

・土曜日は「経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方」

・日曜日は「贈与税をわかりやすく!」

 

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