井上寧(やすし)税理士事務所井上寧(やすし)税理士事務所

一からはじめる会計のお手伝い。スタートアップの志を支える税理士。
Blog丁寧解説お役立ちブログ。
2025.08.27.Wed | 公益信託

「公益信託制度の施行準備に関する研究会」の公益信託認可ガイドライン案の「公益信託認可基準」の「適正な運営の仕組み」について ~ 公益信託[43]




公益信託の記事を掲載します。






第6回の研究会では「第3章公益信託認可基準等」の「適正な運営の仕組み」について各委員から意見が出ています






を紹介します。




公益信託認可ガイドラインガイドラインは令和7年12月の策定予定です。




各委員からの意見は次のとおりです




① 公益信託に係る重要な意思決定の適正性を確保するための体制について




資料「04」のP9-11があまり整理されていないという意見を出されている参与がいらっしゃるが、同感である。資料「04」のP10(資料「01」P17)適正な運営を確保する仕組みがあるとして扱われる要素であるア~オが整理しきれていないのではないか。


アで「信託会社」「上場会社」「その他」と区切られているが、その他が何を含むのかが分かりにくい。また、ウ~オでは「軽量な公益信託であって」という言葉が最初にあるが、この記載がどこまで役に立つ基準になるのか不明である。


「信託会社」「上場会社」「公益法人」「社会福祉法人」は適正な運営を確保する仕組みがあると言えるならそれらは基準として外出しして、それ以外の「一般社団・財団法人」「非上場会社」といった者に何を求めるかを整理する方が分かりやすいように思われる。


その上で、営利企業の場合、上場していれば良しとすることには疑問がある。上場している営利企業であれば、営利部門に公益的な資金が流入しないようなガバナンスの仕組みが必要であり、そこは見ていく必要がある。


さらに自然人が受託者である時は、その者が1人しかいない時なのか、5人以上いる時なのかでまた基準が変わってくる。




② 適正な運営の仕組みやガバナンスが結局どこまでを指すのかはっきりしていない




やはり資料「04」P9-11の規律が分かりにくくなっている。上記ア~オが何を示すものなのか整理されていないと感じる。適正な運営の仕組みやガバナンスが結局どこまでを指すのかはっきりしていない。


上場会社は自然人と比べれば権限を乱用する危険性は低いのだろうが、一方で営利性を考えれば公益法人等と比べると公益性に反する決定をすることがありうる。どこまでのことを適正な運営を確保する仕組みとして取り上げるかが問われていると感じる。


とは言え、最低条件としてア~オを満たすというガイドラインを引くことは妥当だとは考える。


現案のア~エは妥当だと思われるが、オは軽量な公益信託に関係ない記載になっていないか。行政庁が判断するにあたってどの観点に着目して、どのような基準で判断するのか明らかにする基準にすることを求めたい。




③ 軽量な公益信託だけに規制をかぶせているように読めてしまわないか?




適正な運営を確保する仕組みについて、アは会社、イは公益法人、ウ~オは軽量のそれ以外と整理されているところであるが、軽量ということ以外の場合の具体的な記載がなく、結局は柔軟に判断となっている。これは、詰まるところ軽量な公益信託だけに規制をかぶせているように読めてしまわないか。軽量が軽量でなくなってしまうことを危惧する。




④ 軽量な公益信託についての体制案について




ア~オについて、恐らく受託者の実態としてはオの規定が比較的漠然としているように思われるため、オの規定に基づこうとする者がほとんどであると思う。提案として、ア~オに対しては、受託者が弁護士などの専門家、信託管理人も士業などの専門家といった体制案を入れたらどうか。




⑤ 事業運営型と助成型で運営体制は相違する




ア~エの記載については、事業運営型のように適正な運営が必要な場合の書き方であると理解する。一方で、助成型の場合、体制整備はそこまで求められていないのだろう。その場合には、事業運営型ほどの適正な運営体制を求めない、助成型の場合はここまでやっていれば充足するという記載があると分かりやすい。




⑥ 小規模な公益信託は情報公開をベースにしてコントロールするのはどうか




軽量の議論に当たっては、たくさんの身近な人が自分たちで公益信託事務を行うことを前提にすべき。小規模な公益信託について合議制機関などの規制を入れたほうが分かりやすいという意見もあるが、「自分たちで考えてやってください、その内容を公開することで監督しましょう」という情報公開をベースにしたコントロールの形を考えていいと思う。小規模な公益信託について、規制としての分かりやすさを重視して合議制機関を入れることで負担が重たくなることを理解していただきたい。







<参考>


【公益信託認可ガイドライン案イメージ】第3章 公益信託認可基準等

ア 適正な運営の仕組み




○公益信託に係る重要な意思決定の適正性(コンプライアンスの確保を含む)を確保するための体制については、公益信託事務の具体的内容に即して判断する必要があるが、原則として、次の場合(公益事務を行うに当たり法令上の許認可等を必要とする場合は、当該法令で求められている体制がある必要がある。)には、適正な運営を確保する仕組みがあるとして取り扱うものとする。ただし、公益信託事務の内容に照らしてコンプライアンス確保が特に必要な事務である場合又は当該受託者についてコンプライアンスの確保に疑義がある場合には、追加的に説明を求めることがあり得る。


ア:信託会社、上場会社その他事務の適正を確保するために必要な体制が確保されていると認められる法人が受託者である場合


イ:法令等(法人の基本文書を含む。)において、受託者の理事会(これに相当する機関を含む。)の三分の一ルールが定められている法人(公益法人、社会福祉法人等)が受託者である場合


ウ:軽量な公益信託であって、受託者の重要な意思決定について、信託管理人及び合議制機関(信託行為において定められているものに限る。)の同意を必要とする旨信託行為において定められているもの


エ:軽量な公益信託であって、受託者の重要な意思決定について、信託管理人(法令等において、信託管理人の理事会の三分の一ルールが定められている法人又は独立した3人以上の信託管理人がいる場合に限る。)の同意を必要とするとともに、公益信託事務の実施状況について、信託管理人が原則として年」又は「3か月」に1回以上確認する旨を信託行為において定められているもの


オ:軽量な公益信託であって、公益事務の内容、受託者の体制その他事務の適正性を確保するための受託者の取組、信託管理人の職務及び体制に照らして、意思決定に関して、 適正な運営を確保する仕組みが確保されていると考えられるもの。


※ ア・イについては、受託者がガバナンスに関して法令に基づく処分を受けているなど、受託者の適正な運営が確保されていないと認められる事情がある場合を除く。







(出所:第6回会議関係資料 内閣府公益法人行政担当室)







「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」

(ピーター F.ドラッカー)

処暑の1日、朗らかにお過ごしくださいね。









クライアントに提案したいのは節税ではなく、より良い人生です。







[編集後記]



消費税の記事はお休みしました。




ブログは、曜日によりテーマを決めて書いております。

月曜日~木曜日に、おもに消費税の記事を書いております。

金曜日は公益信託の記事を掲載しております。

土・日・祝日は、ブログをお休みしております。

「消費税」

「法人税」または「経理・会計」

「贈与や相続・譲渡など資産税」または「確定申告などの所得税」

「公益信託」









免責

ブログ記事の内容は、投稿時点での税法その他の法令に基づき記載しています。

また、読者が理解しやすいように厳密ではない解説をしている部分があります。

本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。

投稿タグ
カテゴリーで絞る
back記事一覧へ戻る

まずはお気軽にお問い合わせください

06-6318-7726

営業時間:9:00~17:00(月曜日~金曜日)

メールでのお問い合わせ