国内に営業所を有する非居住者に対する役務の提供が輸出免税になるケース ~ インボイス制度 消費税[737]

消費税の記事を掲載します。
非居住者に対する役務の提供であっても国内で直接便益受ける取引には輸出免税の適用はありません。課税されます。一方、輸出免税になるケースは?
を紹介します。
たとえば
Q:
1 Aは、外国法人(B:本社)が日本の企業から商品を仕入れるに当たり、Bの要望に合致する商品の情報をBに提供することを業務としています。
2 Aが行う当該業務はBから直接依頼を受け、AはBの本社に対して直接役務の提供を行っています。
3 Bは日本国内に支店(B1)を有していますが、支店(B1)はAが行うこの業務にはかかわっていません。支店(B1)は、Bが生産した商品の日本国内での販売を業務としています。支店(B1)が行う業務は、Aが行うこの業務とは直接の関連はありません。
4 この場合、AがBに対して行う上記の役務の提供は、輸出免税の対象となるのでしょうか?
A: 日本法人
B: 外国法人(本社)
B1:Bの日本支店
A:
1 非居住者に対する役務の提供は
① 国内に所在する資産に係る運送または保管
② 国内における飲食または宿泊
③ ①および②に準ずるもので、国内において直接便益を享受するもの
上記の①~③以外のものについて、輸出免税の対象としています。
2 一方、たとえば国際運送に係る航空券等の受託販売など
国外の航空会社等の支店または出張所などが国内にあるときには、その委託に係る役務の提供は輸出免税の対象となる役務の提供に該当しないこととして取り扱っています 。
この取扱いは、外国法人に対する役務の提供であっても、その外国法人が国内に支店、出張所などの施設を有する場合には、居住者たる国内の支店、出張所を経由して役務の提供を行ったものとして課税の対象とすることとしています。
3 しかし
事業者が国内に支店、出張所などを有する外国法人などに対して行う役務の提供であっても、次に掲げる要件のいずれをも満たすものは「国内の支店、出張所等を経由して役務の提供を行ったもの」とは認められないことから、輸出免税の対象として取り扱って差し支えないものとしています。
① 事業者は外国法人の国外の本店または主たる事務所に対して直接役務の提供を行っているものであり、その外国法人の国内の支店、出張所などはこの役務提供に直接的にも間接的にも関わっていないこと。
② 役務の提供を受ける外国法人の国内の支店、出張所等の業務は、この役務の提供と同種、あるいは関連した業務でないこと。
したがって、この事例においてAがBに対して行った役務の提供は、①および②のいずれも満たすものであることから輸出免税の対象となります。
国内に支店、営業所などを有する外国法人の国外の事業者に対する役務の提供であっても、上記①および②のように、明らかに国内の支店、営業所等を経由して行った役務の提供と認められないもの以外のもの(国際輸送に係る航空券等の受託販売など)については、その役務の提供は課税の対象となります。
<参考>
消費税法基本通達 7-2-17
(国内に支店等を有する非居住者に対する役務の提供)
「事業者が非居住者に対して役務の提供を行った場合に、当該非居住者が支店又は出張所等を国内に有するときは、当該役務の提供は当該支店又は出張所等を経由して役務の提供を行ったものとして、令第17条第2項第7号《非居住者に対する役務の提供》の規定の適用はないものとして取り扱う。
ただし、国内に支店又は出張所等を有する非居住者に対する役務の提供であっても、次の要件の全てを満たす場合には、令第17条第2項第7号に規定する役務の提供に該当するものとして取り扱って差し支えない。
(1) 役務の提供が非居住者の国外の本店等との直接取引であり、当該非居住者の国内の支店又は出張所等はこの役務の提供に直接的にも間接的にもかかわっていないこと。
(2) 役務の提供を受ける非居住者の国内の支店又は出張所等の業務は、当該役務の提供に係る業務と同種、あるいは関連する業務でないこと。」
当初、このルールを読んだとき、いったい何を言っているか?理解できませんでした。^^;
(出所:国税庁 質疑応答事例 消費税)
「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」
(ピーター F.ドラッカー)
秋分の1日、朗らかにお過ごしくださいね。
クライアントに提案したいのは節税ではなく、より良い人生です。
[編集後記]
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