国外の事業者からソフトウェアの販売するための権利を購入。そのソフトウェアを国内で配信した場合(電気通信利用役務の提供) ~ インボイス制度 消費税[738]

消費税の記事を掲載します。
「著作権の譲渡・貸付け」の取引と「電気通信利用役務の提供」の取引について
を紹介します。
たとえば
Q:
1 A社は国内法人です。
2 A社は、国外事業者が著作権を有するソフトウェアについて、国外事業者から日本国内のエンドユーザーに販売するための権利を取得しました。このソフトウェアをインターネットにより配信する方法により販売を行います。
3 この場合、次の課税関係は各々どのようになりますか?
① 国外事業者との取引…ソフトウェアに係る著作権等の譲渡・貸付け【図①】
② 国内のエンドユーザーに対するソフトウェアの配信【図②】
4 次のようなイメージです。

A:
①の取引は(ソフトウェアに係る著作権等の譲渡・貸付け【図①】)
著作権・著作隣接権という資産の譲渡または貸付けに該当します。
電気通信回線を介して行われる役務の提供には該当しませんので、著作権・著作隣接権の譲渡または貸付けを行う者の住所または本店若しくは主たる事務所の所在地で内外判定を行うこととなります。
国外取引として消費税の課税対象外となります。
②の取引は(国内のエンドユーザーに対するソフトウェアの配信【図②】)
インターネットを通じたソフトウェアの販売であり、電気通信利用役務の提供に該当します。
役務の提供を受ける者の住所若しくは居所または本店若しくは主たる事務所の所在地で内外判定を行うこととなります。
国内事業者が国内のエンドユーザーに販売するものですので、国内取引として消費税の課税対象となります。
<参考>
消費税法施行令 第6条
(資産の譲渡等が国内において行われたかどうかの判定)
「七 著作権(出版権及び著作隣接権その他これに準ずる権利を含む。)又は特別の技術による生産方式及びこれに準ずるもの(以下この号において「著作権等」という。) 著作権等の譲渡又は貸付けを行う者の住所地」
消費税法 第4条
(課税の対象)
「3 資産の譲渡等が国内において行われたかどうかの判定は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める場所が国内にあるかどうかにより行うものとする。ただし、第3号に掲げる場合において、同号に定める場所がないときは、当該資産の譲渡等は国内以外の地域で行われたものとする。
一 (省略)
二 (省略)
三 電気通信利用役務の提供である場合 当該電気通信利用役務の提供を受ける者の住所若しくは居所(現在まで引き続いて1年以上居住する場所をいう。)又は本店若しくは主たる事務所の所在地」
(出所:国税庁 国境を超えた役務の提供に係る消費税の課税に関するQ&A 2-2)
「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」
(ピーター F.ドラッカー)
秋分の1日、朗らかにお過ごしくださいね。
クライアントに提案したいのは節税ではなく、より良い人生です。
[編集後記]
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