「公益信託の事業検討ワークショップ」認定NPO法人全国こども食堂支援センターむすびえの事業案 ~ 公益信託[70]

公益信託の記事を掲載します。
「こども食堂の支援を通じて、誰も取りこぼさない社会をつくる。」の公益信託ワークショップ発表資料について
を紹介します。
「公益信託の事業検討ワークショップ」とは
ガイドライン等の作成にあたっての具体的な事業モデルやニーズの把握、制度利用促進に向けた横展開可能なモデル事例の検討を主な目的として、公益信託の事業検討ワークショップが開催されています。
参加組織は次のとおりです
・ 全国こども食堂支援センターむすびえ
・ 長野県みらい基金
・ 泉北のまちと暮らしを考える財団
・ ちくご川コミュニティ財団
・ キッズドア
・ 全国フードバンク推進協議会
このうち、全国こども食堂支援センターむすびえの事業案とは「地域まるごと『こども応援』信託ーこども食堂を通じた包括支援です」
信託目的とは
地域におけるこどもの健やかな育ちと多様なつながりを支えることを目的とし、こども食堂等の地域の居場所や食支援活動に対し、資金的支援・人的支援・仕組みづくりの側面から包括的に支援するものとする。
これにより、すべてのこども・保護者等が孤立せず、安心して過ごせる社会の実現をめざすとともに、地域住民・団体・企業・行政等が協働し、地域全体でこどもを育む土台を築くことを目指す。
受益者は
そこに集うこども・地域住民
おもな支援活動とは
① こども・こども食堂等への食支援活動
② 情報交換・交流促進
③ 新規開設支援・個別相談支援
④ 地域連携促進・普及啓発活動
⑤ ニーズ調査・研究活動
受託者および信託管理人は次のとおりです

事業体制図と公益事務内容とは

受託者はNPO法人、一般社団法人、任意団体などのこども食堂の中間支援団体を想定してます。一方、信託管理人は地域金融機関を想定しています。特徴のあるところです。
公益信託を使う理由や地域・領域にもたらす価値とは
① 持続的なこども食堂が立ち上げやすく継続しやすい地域環境の整備
中間支援組織の基盤強化が課題になる中、長期的な基盤強化(多様な財源確保とガバナンス強化、中長期的な成長戦略構築等)に繋げられることで、こども食堂の活動に必要な物資等の支援・情報・関係者の思いなどが、循環する地域へ。
② 他地域へのモデル展開
一つの地域で公益信託を活用した事例ができれば、こども食堂等との全国レベルのネットワークを通じて、他地域に情報発信・モデル展開が可能。全国レベルでの普及と活用への期待。
③ 資金の流れに信頼性と中立性を担保でき、安心できる地域資源循環のエコシステム形成
金融機関等、地域の事業者・士業等との連携の機会となり、安心して「寄付」ができる社会環境に。地域内で資源や思いを循環させる。
次のように要望をを示されています

こども食堂の名づけ親、近藤博子さんが今年の7月ごろ朝日新聞で
「私たちは行政の下請けではない」
「でも、こども食堂にあまりに多くを求められることに、違和感を抱き始めました。地域のプラットフォーム、相談窓口、災害時の炊き出し拠点――。そもそも、『地域のおばちゃん』が始めたことであって、そんなに多くのことはできない。今春、こども食堂の大きな流れとは一線を引くことにしました。」
という記事を思い出しました。
(出所:第9回会議関係資料 内閣府公益法人行政担当室)
「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」
(ピーター・F.ドラッカー)
立冬の1日、朗らかにお過ごしくださいね。
[編集後記]
消費税の記事はお休みしました。
ブログは、曜日によりテーマを決めて書いております。
月曜日~木曜日に、おもに消費税の記事を書いております。
金曜日は公益信託の記事を掲載しております。
土・日・祝日は、ブログをお休みしております。
・「贈与や相続・譲渡など資産税」または「確定申告などの所得税」
・「公益信託」
免責
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また、読者が理解しやすいように厳密ではない解説をしている部分があります。
本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。


