公益法人等への使途指定の寄附契約の取扱いについて ~ 公益信託[86

公益信託の記事を掲載します。
公益信託の設定を考える上で、「公益法人等への使途指定の寄附の取扱い」はどうなっているのか?
を紹介します。
たとえば
Q:
使途が指定された寄附金について、対象となる事業が廃止され寄附者の意向確認ができない場合には、どのように対応すればよいでしょうか?
A:
1 寄附者から使途が指定された寄附金の対象事業について
「長年実施してきたが時代のニーズに合わなくなったとして法人の経営判断により廃止したり、その他法人の責めによらない事情で廃止したりするような場合があります。」
「指定寄附資金が控除対象財産として正当に位置づけられるためには、当該資金が相当期間内に費消されることが求められるところ、そのままでは当該資金は使途不特定財産となります。」
「そのような場合、寄附者に他の使途を指定するよう求めることが考えられますが、寄附者の死亡や、関係者(相続人等)の存在が確認できない等の理由により、法人が手段を尽くしても当該寄附金の新たな使途指定の意向を確認できないことも考えられます。」
2 使途が指定された寄附金の法的性格として次の整理が考えられます
「① 使途が指定された寄附金を『使途として指定された公益目的事業Aが存在するにもかかわらず、A以外に使用すること』を解除条件とする解除条件付贈与(民法第127条)として受け取ったと考え、Aの廃止により、解除条件が事後的に不能になり、結果として条件が消滅した(民法第133条第2項)。
「② 当該寄附金を『Aに使用すること』という負担が付いた負担付贈与(民法第553条)として受け取ったと考え、Aの廃止により、Aに使用することが不可能になった。」
「③ 使途がAに指定されたとされる寄附金であっても、実質的には使途の希望の表明に過ぎない。いずれかの法的性格があるとして寄附金を扱うことにより、寄附者等の意図を合理的に推定してAに近い他の使途に用いることは排除しないと解することができると考えられます。」
3 上記1のような場合
「当該寄附金について、寄附者の合理的意思として上記2のいずれかのように性格付けできるときには、機関決定の上、令和6年公益法人会計基準を適用する場合にあっては、『やむを得ない事情による振替』として、貸借対照表の注記『純資産間の振替額』に記載し、指定純資産から一般純資産に振り替えることが」
「平成20年会計基準を適用する場合にあっては、『使途の指定の解除』として、正味財産増減計算書(内訳表)において、指定正味財産増減の部から一般正味財産増減の部へ振り替え、当該寄附金相当額については、公益充実資金に積み立てる等もできると考えられます。」
4 なお、上記はあくまでも一例であり
「法人において諸々の事情を考慮し適切に判断していただくことが必要です。また、今後、使途が指定された寄附金を新たに受け取る際、指定された使途に使用できなくなった場合の取扱いも事前に当事者間で明確にしておくことが推奨されます。」
(出所:公益法人制度についてのよくある質問 問Ⅳ‐3‐⑦ 使途指定のある寄附の取扱い)
「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」
(ピーター・F.ドラッカー)
雨水の1日、朗らかにお過ごしくださいね。
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