井上寧(やすし)税理士事務所井上寧(やすし)税理士事務所

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2026.03.18.Wed | 公益信託

新しい公益信託制度の「受託者報酬の仕組みと規制ポイントを徹底整理」 ~ 公益信託[97]




公益信託の記事を掲載します。






公益信託における受託者報酬のルールと実務上のポイント(認可基準・上限規律・透明性)






を紹介します。




公益信託における受託者の報酬については、信託財産が公益のために適正に使用されるよう、公益信託法およびガイドラインによりルールが定められています。


おもな内容は次のとおりです。




1 報酬の定義と根拠






(1) 報酬の意義




受託者の報酬(信託報酬)とは、公益信託事務の処理の対価として受託者が受ける財産上の利益を指します。(信託法第54条第1項)




(2) 信託行為への記載




受託者に報酬を支払う場合は、必ず信託行為(信託契約や遺言)にその旨を定める必要があります。(公益信託規則第1条第15号)




(3) 費用の考え方




事務に要した人件費や物件費などの「費用」を報酬に含めることが認められています。


その場合は報酬で賄われる範囲を明確にし、信託財産から別途「費用」として二重計上することは禁止されています。




<参照>

ガイドラインP81~82




「(ウ) 公益信託報酬に含まれることとなる費用に関する事項公益信託報酬の中に、公益信託事務を実施するための費用等が含まれる場合には、公益信託報酬が不当に高額か否かを判断するに当たって、信託報酬の中でどのような業務を行うこととなっているかを勘案する必要がある。また、公益信託事務に要した各種費用相当額を公益信託報酬に含めることとした場合は、信託財産からの費用と信託報酬の二重払いを回避する観点から、受託者が負担する費用のうち信託報酬で賄われるものを明確にする必要がある。例えば、「信託報酬には、個別の公益信託の運営に要したアルバイトの人件費を除き、公益信託事務の処理のために通常要する人件費、消耗品その他の費用に充てる額が含まれる」といった規定は、許容される。」




2 認可基準と「支払基準」の作成




公益信託の認可を受けるためには、報酬が「不当に高額なものとならないような支払基準」を定めていなければなりません。公益信託認可基準とされています。

この支払基準には、次の事項を明記する必要があります。




(1) 報酬の額又は算定方法




具体的な金額、あるいは信託財産残高や事務実績に連動させるなど、客観的に理解できる算定方法を定める必要があります。




<参照>

ガイドラインP80




「支払基準には、具体的な報酬の額を定めるか、又は報酬の額の算定方法を定める必要がある。算定方法とは、報酬の算定の基礎となる額等により構成される基準等をいい、どのような過程をたどってその額が算定されるかが客観的に理解できるものとなっている必要がある。」




(2) 支払の方法及び形態




支払時期(毎月末など)、支払手段(銀行振込など)、支払形態(現金など)を定めます。




(3) 報酬に含まれることとなる費用に関する事項




報酬で賄われる業務や費用の範囲を明確にします。

なお、報酬を支払わない(無報酬)とすることも可能ですが、その場合も支払基準において「無報酬である旨」を定める必要があります。




3 「不当に高額」かどうかの判断基準




(1) 原則として




受託者が委託者に対し、事務に要する費用等について十分な情報を開示・説明した上で合意された基準であれば、明らかに不自然・不合理な場合を除き、妥当であると判断されます。




<参照>

ガイドラインP82




「原則として、受託者が、公益信託事務に要する費用等について委託者に十分な情報を示して説明した上で、信託行為及び支払基準を策定したことが確認できる場合には、明らかに不自然・不合理と判断できる場合を除き、不当に高額なものとならないような支払基準を定めていると判断するものとする。」




(2) 特別な関係がある場合




委託者と受託者が親族等の特別な関係にある場合は、類似の業務と比較して受託者が高額な利益を得ていないか?をチェックする必要があります。




<参照>

ガイドラインP82~83




「一方、委託者と受託者が親族関係等の特別な関係にあることも排除されないため、委託者と受託者が示し合わせて高額の信託報酬を設定する可能性もある。これは特別の利益供与(第3章第1節第5参照)に当たる可能性があるほか、このようなことを放置した場合には、上記1において記載した趣旨に反し、当該公益信託の信用失墜にとどまらず、公益信託全体に対する国民の信頼を毀損する懸念も想定される。したがって、委託者と受託者の間に特別な関係がある場合(特別な関係があると合理的に推認される場合を含む。)には、公益信託事務に要する費用等について確認し、類似の業務等と比較して、社会通念に照らして受託者が高額な利益を得ていると判断される場合には、その支払基準の定める報酬水準は『不当に高額』に当たると判断することがあり得る。」




4 財務規律および透明性の確保




(1) 管理費としての制限




受託者の報酬は会計上「管理費」に計上されます。


公益信託全体の財務規律として、管理費は全費用の30%以内に収める必要があります。公益事務割合を70%以上にする必要があるため。


報酬額はこの制限を考慮して設定されなければなりません。




(2) 情報の開示




支払基準を記載した書類は、受託者の事務所に備え置き、閲覧請求に応じる義務があります。また、行政庁のホームページ(公益法人information)を通じて公表されます。







(出所:内閣府公益法人行政担当室HP「新しい公益信託制度について令和8年1月14日時点版」、「公益信託認可等ガイドライン令和7年12月版」)








「変わっていくことができるものが、変えることができる。」

(白夜飛行)



啓蟄の1日、笑顔の多い1日になりますようにお過ごしくださいね。







[編集後記]


トップの写真は、今朝の日の出。



消費税の記事はお休みしました。





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